お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Wednesday, October 24, 2007

やりたくないことはすぐにでるけど

人生に何を望むかとたずねると、まず始末したい目先の事柄を答える人が多いそうだ。
「髪の毛を切りすぎて学校に行きたくない」
「あの先生は代わってほしい」
「気まずくてクラスに出れない」
などなど。本人は真剣だ。

確かに、いい人生を送るにあたって、「本当に肝心な事柄は何か」を知ることが大切なんだなあ。

君たちが作る家族はどんなもの?

お父さんとお母さんの考える親の役目は、こどもたちが「経済的にも精神的にも自立」し、「未来の家庭」を作ってゆき、「社会に貢献」できるようにすること。
だから今からご飯のときなどに、君たちの考えを聞いてみたい。まずは「未来の家庭」。君たちはどんな「理想の家庭」像を持っているのかな。どんな家庭を作ってゆくのかな。

どんなことを受け継いで、子どもたちに伝えて行きたいか。
どうやって子どもたちと遊んであげるのか。
お行儀の悪いときはどうするか。
お片づけが出来ていないときはどうするか。
学校に行かなくなっちゃったときはどうするか。
受験に悩んでいるときは、なんて声をかけてあげるか。
どんな経験をさせてあげたいか。
どんな価値観を作り上げるのか。
生涯をかけてやってゆく人生の目的は何か。
どんな独自の家族の習慣を作りたいか。
お皿洗いやお洗濯、お掃除は分担するか。
仕事と家をどう両立するか。
友達をいつも呼べる家にするか。
携帯はいつからもたせるか。
パソコンは会社だけにするか、家にも置くか。
何を一緒にやって遊ぶか。
家族のイベントは何かやるのか。
何を家族で祝う記念日にするのか。
お誕生会はどうするのか。
どんなビデオを残すのか。
写真を残すのか、絵を残すのか。
子どもたちの作ったものをどう残すのか。
子どもたちが独立するときに何を贈るのか。
伝えてゆく伝統は何か。
どんな話をしてあげるのか。
自分は親からそうされたけど、子どもにはしたくないことは何か。
どんなお父さんやお母さんになればいいか。
そのために、君たちにまだ足りないものは何か。
どうやったら足りないものを習得してゆけるのか。
どんな相手を見つけたら、理想の家庭をつくれるのか。
そうしたらそんな相手と長く付き合ってゆける人になれるのか。
何を身につけたら、相手にふさわしい魅力的な人になれるのか。

一緒に考えることが出来たら、お父さんはうれしい。

留学は不確定要素の大きい仕事

文化が違う中に飛び込んでゆくのだから、今までの経験が役に立たない。自分の思い通り行かないことも多いだろう。なんとかそんな中で自分の居場所、自分の位置を作ろうとする。だから留学は自分を育てると思う。

可能性は認識の土台の上に建設される

表に表れない、隠れた願望ってもんがある。今までなかったから便利さがわからない。経験してないからわからない。けれど一度味わってみると、「これはいい」という評価につながることがある。
そういったものが見えるかい?

ウルフパックと傷ついたニワトリ

狼は普段は集団で狩りをするのだけれど、気候変動などで獲物がいなくなると、弱った仲間のうちの一匹を襲い、食べてしまうのだと言う。それでもまだ獲物が見つからないと、また弱った仲間のうちの一匹を食べる。次は誰の番・・・そんな緊張が集団の間に漂う。自分が生き残るために、「あいつが弱ってる」というターゲットを作ってしまう。これを「ウルフパック」と言うそうだ。
同じように、ニワトリ小屋の中の傷ついた一羽は、仲間に傷をつつかれてしまう。そして傷はますます広がってゆく。

金融危機の今、アメリカの銀行で起こっていることをたとえて「ウルフパック」と表現している。教室で起こっているいじめもニワトリ小屋の例にたとえられる。
生き残りをかけた現象なのか。なんで安全な教室がその舞台にならなければいけないのか。仲間はずれが怖いという気持ちは、おかしな社会を生んでしまうのか。
少なくともつつかれない、緊急避難の隠れ場所は必要なんだな。

役割を作る方?時間を守ってこなす方?

どちらかを目指しなさい。クリエイターかサラリーマンか。
どちらにしても時間以内に判断したり、期日を約束しなければならないけど。

地デジ切り替えでゲーム用TVが増える?

2012年に地上波デジタル放送へ今のアナログ放送が切り替わると、今のテレビは使えなくなると言う。
1.地デジ対応のテレビを買う
2.パソコンにつなげて、画面を見る
3.チューナーだけ買う
余ったテレビは
1.捨てる
2.ゲーム専用にする
3.ビデオのモニターにする
4.防犯モニターにする
5.中古で輸出する
家に2、3台あるテレビはDSのようなマルチスクリーンで使えたらいいな。そういう機械を構想してみたい。

ヨセフに望んだ3つのこと

お父さんやお母さんが考えている親の役目は、子どもたちが次の3つのことを出来るようになるための手助けをすること。成績のことは枝葉末節のはなし。
1.本人の自立
2.次世代を育てる力
3.社会貢献できる力

1の自立には経済的自立と精神的自立がある。
経済的に自立できるためには、新しい技術や知識を「自分で学びつづけようとする気力や動機」を育てること、「役割をまっとうする責任感」を持つことがある。
精神的自立ができるためには「うそをつかない、正しいことを言う勇気」などの態度を持つこと、それを支える「正しい判断が出来る考え方」を身につけることある。

2はお父さんとお母さんの普段の姿から伝わってゆくものだ。責任重大。
3はお父さんたちにとってもチャレンジ。仕事を通じてできるように道をつけている。

1はむずかしいなあ。責任感や動機付け、精神的自立も。高校生くらいになると、本人も望むことだと思うけど。
一番いい環境はフィリピンでのボランティア。まずは信頼され、たよられる環境。そこから人生は変わってゆくと思う。どうやら同年代の集まるクラスは、頼り頼られる環境より、競争原理が先に働いてしまうようだ。

図を描いてから1次方程式だろ

実際の社会に起こることへの応用事例から入って、学校の授業をやるほうがいいと思う。
お父さんが空調設備の会社でクリーンルームの設計をやったとき、どのくらいの風量を出せばいいかわからなかった。新しい技術なので、どの本にも答えは書いていない。そんなとき先輩が方眼紙を持ってきて、たくさん点をプロットして見せた。その後、点の集まり具合で大体の直線を引いて、「これが風量の条件」って教えてくれた。なんだ、1次方程式じゃないか。解き方は知っている。中学で習った。だけどこうして逆に使うとは思ってもみなかった。

だから学校でも1次関数方程式を習うとき、「これは予測や自動判定に使ってるんだよ」と教える。それからアンケートの結果をまとめたり、交通量調査で傾向を見るためにまずグラフにプロットしてみる事例をやるのが先だと思う。それから傾向の直線を引っ張って、それはXとYを使った1次方程式にだいたい落とせるということを見せて、最後に予測をしてみる。
たとえばさらさらのスキーに適した雪がふる天気も、気温と湿度の関連で1次方程式をつくって予測判定できるだろう。1次方程式がどんなところに応用できるかを想像してゆくという入り方もいい。

機械的に方程式を解く問題をいくつもやる今の中学校のやり方は、勉強の意欲をそぐような気がする。受験対策がそうさせているのだろうけれど。

デザイン、陶芸、美はいいなあ

拡張プロセスは直接成果につながるものをイメージするけど、デザインとか芸術とかは平衡プロセスに入るのかなあ。
でも、デザインのいいもの、美しいものでないと売れないので、そのセンスを鍛えるのは大切だよなあ。
若いときは、その価値観を見つける感受性が豊かだよね。みんなどうやってそのセンスを磨くのかなあ。

卵を抱いた鳩はにげない

猫に襲われても、巣で卵を抱いている鳩は逃げない。羽の力で追い払おうとする。
ヨセフも守るものを持ったら強くなる。ボランティアに行くことの価値はそこにあると思った。

バレエとスタバ

気力も充実して、やる気もいっぱい。より積極的にちいさなことにもヒントを見つけて学ぶ。バレエで達成感のある時間をすごす。その裏にはスタバに行って静かな時間をすごし、頭の中を整理している。こうすればよかった、こんどはこれをやろうあれを片付けようと、現実を直視して優先順位をつける。詰まっている原因を取り除く。
これは君が「拡張プロセス」と「平衡プロセス」をバランスよく行っているということなんだ。だからいい循環が続く。
拡張プロセスと言うのは、パワーやスピード、効率を重視して、どんどん新しいことをやってゆく状態。商売だったら売り上げを増加させようとすることだし、バレエだったらうまくなろうと練習することになる。
平衡プロセスというのは、拡張プロセスに抵抗しようとする要因。体が疲れて重くなったり、まちがった動きを体が覚えてしまって、強引に足を上げようとしてもあがらなくすることになる。やりすぎを止めようとする。力を入れてもぎくしゃくするだけ。スランプにもつながる。かえって力を抜いてスーッとあげればいいのに、それのことが見えなくなる。
平衡プロセスはゆっくりした時間の中での変化、拡張プロセスでだいぶ前にやったことが遅れて現れてくるという特徴があるようだ。だからあせらない、必要な薬の量を飲んだら、あとは効くのを待つ態度が必要。あせると揺り返しが出る。

拡張プロセスと平衡プロセスの組み合わせは、物を作ることと片付けることの組み合わせのようなもの。片付ける時間は無駄ではない。あせらず待つのも無駄ではない。
ゆっくりとした時間の中での変化を見ること。対処療法ではなく、詰まっている要因を見つける目を養うことが大人には必要。立ち止まってみる景色は違う。
「最強組織の法則」って本が教えてくれた。(英語のタイトルは「The fifth discipline」 by Peter M. Senge)

長いプロセスを楽しむ文化と結果を求める文化

長いプロセスを楽しめる人は、幸せな人生だと思う。

結果と勢いがプラスアルファ

新しいことをはじめると、なかなか結果が出ない。時差がある。少し反応があっても、すぐ静かになってしまう。続かないことが多い。
結果が続く勢いがほしい。自信と勇気をもたらすから。
風を受けて波に乗るタイミングを見計らう。または風の吹いている環境に身をおくなどが、勢いを味方につける方法か。
それなしにまわりをかえるためには、何度もおんなじことを言って、何度もやってみせて、常に言葉をかけてはたらきかける。
大変だ。

1列で並ぶトイレの順がいい

合理的のお手本。

いいコーチを見つけられるのがいいコーチ

お父さんは、ルカには誰から教わるのがいい、ヨセフには誰の言葉が一番効く、クララにはどんな環境が一番いい・・・というのを注意深く考えている。いいコーチを見つけられたかな。

コンセプト、デザインはトップダウンの勝ち

必ずしもみんなの合意で決めることが、すべてに適しているわけではない。

「話が違う」はあたりまえ

ホントにいろんなことが起こる。確実なことなんて無い。諸行無常とはよく言ったもの。もし君が「話が違う」って憤慨してなにも行動を起こさないだけなら、現実の社会では生きていけない。
もしも「話が違う」って状況になっても、それが世の常と思って、解決策のアクションを取ること。そして予防策として、普段から用心深く、ひとつひとつ記録して整理しながらことを進めてゆくこと。もしも問題に巻き込まれたとしても、腹を決めて、大変な状況から復活してゆくのがかっこいい。

人の世は不確実。

落ちるところまで落ちてるから変わらない

アメリカが金融危機で大混乱。世界に波及しているけど、日本はバブル崩壊あと15年も不況。落ちるところまで落ちている。だからあんまり変化が無い。もちろん今急に景気が悪くなってきているけど、建築業の下請けなんかは今に始まったことではない感じ。
「今決断しなければ、日本のようになってしまうよ」と、欧米各国は日本政府の対応を反面教師にしているくらい。
なんだか情けない感じ。

第1歩を形にしないと回りを巻き込めない

お父さんが新しい仕事を立ち上げていると、節目節目で周りの人の反応が変わってくるのが面白い。その節目は形にしたとき。だからいくら自分だけが見えている未来を語ってもダメ。形にしないと。
やってみせて形にする。スーパーマンみたいだけど、人任せじゃダメ。洗練されていなくてもいい。可能性が見える形にまで仕上げなきゃダメ。
周りの反応が変わっていくのが面白いから、お父さんは今の仕事を楽しめる。

味を文字に置き換えて覚える

お酒の味を記憶できるという人にコツを聞いた。味を言葉にするそうだ。言葉で覚えていられるとのことだ。
妙に感心してしまった。

Monday, October 08, 2007

何世代もの家族を継いで行くもの

ヨセフがくじけたり、無断でさぼったりしたときも、ただ待っている。
お父さんの中にも焦りがあるけど、待たなければいけない。
彼は彼だけのものではない。お父さんやお母さんのものでもない。
何世代も前からのあずかりものだし、次の世代を受け継いでゆくもの。ちいさな家とかの枠を超えて、人類のあずかりものなんだ。受け継いできた才能を役立てるようにしなければいけない。
内なる勇気を育ててくれ。自分の足であるいて、解決して、次の世代を造っていってくれ。

先取りされたらやる気無くなる

お父さんはヨセフやルカを、なるべく「ヒーロースポット」に立たせてあげるようにしたい。
ヨセフのヒーロースポットは映画編集や映画に関すること。ルカのヒーロースポットはサッカーやゲームに関すること。このことについては、言われなくても研究するし、実行する。興味があってやる気があるからドライブがかかる。ますます得意になる。ヒーロースポットだ。
反対に宿題、勉強、進学のことなど、気にはなっているけど気の進まないことは、よけい先取りして言われるとやる気なくなるだろう。現実社会に近いこと。
現実とどう折り合いをつけて、自らヒーロースポットに立ち、回りに認めさせるか。これが自分でできたら、もう大人といえるね。

他がいっぺんに見えない老化ということ

運転していて感じることがある。注意散漫、気がつかない、はっとする。
老化を前提に、しくみを考える必要がある。若い人にとっては、するどい観察力や想像力を駆使しないと気がつかない。若者には自然に出来てしまうからどこが不自由だかわからないのだ。
教える側に立ったりお客さん相手に事業をしようと思ったら、きっと忘れてはならないポイント。

戦争でも家族のことでも言いたくないことがたくさん

80歳を過ぎた人には、あまり語ってもらえないところがある。戦争の時代のあたりのこと。
家族のことも案外聞いていないことが多い。
お父さんとおじいちゃんおばあちゃんあたりから、家族のコミュニケーションが変わったのかな。

ひとつだけ

提言はひとつだけ。いいたいことはひとつだけに絞る。どんないいことでも、いっぺんにいろいろ言われても忘れちゃう。実行も出来ない。つまり効果なし。
メールに書くこともタイトルと関連したひとつだけ書く。ついでにいくつも書かない。別の内容は別のメールにして出す。このほうが後で探しやすいし、転送もしやすいから紹介してもらうのも早くなる。相手に手間をかけないし、深く理解してもらえる。
たとえて言うと、今の世の中、何でもあるレストランより専門店を選んで出かけるのと同じ。

メッセージはひとつだけに絞る。

どんどん言いたい老化現象

自分の言いたいことだけどんどん言うのは、歳をとった人によく見られる現象。
ただニコニコ笑って聞いているのも同じ。

「柔軟に」を心がけよう。

知りたいのは到着時間?あるのは出発時間?

ちょっとしたことだけど、相手のほしいものはどちらか考えて、よく確認して答えると信用してくれる。受け答えの要。

「今しかない」と思ってやっと他は忘れて行動に移す

自分を変えるには今しかない。

気がみなぎるには

早起きが有効だと思う。

後一歩の味わい

後一歩でだめだった。この経験は味わいがある。忘れてしまおう、捨ててしまおうというものでは決してない。

センスって

世界標準のビジネスマンに必要なこと3つ。
英語
IT
財務

世界標準のリーダーに必要なこと2つ。
コンセプト構築力
センス

前半は大前研一さんの言葉から。お父さんも同感。
具体的に言うと、君はこういうことが出来るか?
ドイツにある子会社を、まだ日本に進出していないドイツの企業をインターネットで検索して、コンタクトを取り、相手の納得する根拠で会社の価値を算定して、売買の交渉をまとめることが出来る人。
お客さんが要するにどういうことを求めているかを見つけ出し、お客さんが物語を感じるような形や機能として実現し、そのためにどのくらい開発費を使うとか、足りないものは何か、誰と協力するかを見つけ、どんな紹介の仕方をするとか、タイミングも含めて決断する。
こんな人間像だ。
この例はビジネスだけど、芸術でも同じようなことが言える。
学生にとってはすごく遠くの目標に見えるかもしれないけど、いつも心の中にその未来の姿をとどめておくことが大切。できるよ。

お金がたまったらほかの人のために使う

チベット密教でもお金がたまるお経があるそうだ。たまったら他の人も幸せになるように使おうということが趣旨。
具体的に行動に移せるかだ。

スケールアップとスケールアウト

スケールアウトの時代だ。
スケールアップはより高速に、効率的に、たくさんこなせるようになること。高性能のコンピューターに入れ替えるようなもの。
スケールアウトは、ひとつひとつは平凡でも、連動して、手分けして、たくさんこなせるようになること。パソコンをたくさんつなげて処理するようなもの。
スケールアウトでは、それぞれの分担やスケジュールを決めたり、だれが空いているかを見回ったりするしくみをあたらしく作らなければいけない。スケールアップの場合は変更なしですむ。パワーをあげるだけ。

スケールアウトをうまくやることは、とても大切な能力。リーダーシップが必要だし、自然の中から学ぶことだろう。

道楽の事業、ゲームと思われたパソコン、協力隊?

お父さんはやっている仕事のことを、他の人からよく「道楽」といわれる。つい最近も言われた。だからやっぱりそうなんだろう。
最初に言われたのは協力隊に行った時。なぜそんなところにいくのか理解できないという反応。田舎のおじさんは「何か得になることでもあるのか」と言っていた。
就職してパソコンの可能性にびっくりし、自分で大枚はたいてノートパソコンを買った。毎晩マニュアルとにらめっこ。いろんなソフトも試す。そんな姿を見て母は「ゲーム?」と聞いた。毎晩ゲームで遊んでいるとでも思ったらしい。
今お父さんが立ち上げている事業も、大手の会社を引退した人には道楽に映るらしい。
そこで発見した面白いことは、外国の人からの反応が正反対ということ、インターネットなどの見えない大陸や知らない世界に関わる取り組みを傍から見ると道楽と映るらしいこと。
外国の人に話すと、協力隊でアフリカに行った経験は、その人とより深く付き合うのにプラスの評価として働くし、インターネットとの取り組みは相手の疑問に答えると、大変興味をもってくれる。道楽という語感とは違う評価だ。
ま、お父さん自身面白い人生を送っているわけだから、邪魔にならなければ「道楽」という評価は勲章だと思いましょう。

けっこう無防備

お父さんが今やっている仕事はソフトが絡んでいるので、アイデアを盗まれたりしたら大変なはずだ。だけどお父さんはどちらかというと無防備。相手先のトップと話して、外国人でも気があうなと思ったら、どんどんノウハウを公開している。相性が優先。その後は秘密保持契約だけ結んで。
もしかしたらそれは見えない大陸で仕事をしようとしている人の性分なのかも。コンセプトによるコミュニケーション、化学反応というらしい。「あなたと私の化学成分は同じだ」と。

クラウドの時代。集合知を集めるには、自分も開示するときは積極的に。そんなわけで、相性を見るカンを養いなさい。いろんな国出身のクラスメートを見ることは大事。お父さんは旅の中でその経験を得た。相性を見て開示する。そんな感じ。

コロンブスの卵の国の入学試験

「サラリーマン再起動マニュアル」という本に出ていた、コンサルタント会社マッキンゼー流人材評価法(採用法)は、アメリカの入学試験と似ていると思った。就職活動をしている人はもちろん、どんな学校に入りたいか、どんな人生を送りたいかを迷っている人にも、参考になる。

採用のポイントは3つ。
【1.クラスの中で特筆すべき役割を果たしていたか】
ボーイスカウトでリーターをやっていた。クラブを立ち上げたなど、リーダーシップを発揮していた証拠があるかを見る。つまりイニシアチブを取れるか、得にならないことでもこつこつやることが出来るかを見るわけだ。
【2.ディスカッションをまとめていく力があるか】
合意を形成できるかを見る。
【3.こちらからの質問に対してどういう受け答えをするか】
まずは相手の質問をよく聞き、前提条件を正確に理解したかどうかを確認し、「その場合、私はこういうふうに思います。」と答える人ならいい。

5人の採用試験官は◎〇×で評価をつける。5人のうちひとりでも◎(絶対に採用すべき)がいれば、無条件に採用。5人とも〇だと不採用。みんなが〇をつけるような人は仕事をそつなくこなすかもしれないけれど、新しいビジネスを開拓してゆく人にはならないからだという。

得意なこと、面白いと感じることを磨けということかな。それに普段から心がけて場数を踏んでないとできない。アメリカの大学の入学試験も簡単そうだけど、同じパターンだったよね。

信じているよのメッセージ

人に親切にしなさい。誤解されてもいじわるされても、どんな友達がいようとも、君は曲がった道を行くはと思えない。
ときどき家族ですごした幼い頃の時間を確認できるよう、たくさんとったビデオを整理している。

ラマさん

マリアと二人でチベット密教の儀式であるダーキニーの灌頂(かんじょう)をガンワン先生という高僧から受けた。ガンワン先生はダライラマ法王の一番のお弟子さんだと聞いている。いつかダライラマ法王のお話を直接聞いてみたいものだと思っていた。
今日(2008年11月2日)ちょうど東京でチベットについてのイベントがあるので、クララに電話でその話をしたら、「ダライラマさんは学校に来たよ」といっていたのでびっくりした。「ラマさんって、あんた、キリスト教で言えばローマ法王のような方なんだよ」とマリアは言っていた。
クララはダライラマさんがなにか絵を描いていたよと話していたが、何があったんだろう。我が家では「ラマさん事件」として記録しておこう。

漫画ブログ

お父さんの伝言はお父さんの遺言でもある。一般の人もアクセスできるけど、内容は家族にあてた手紙である。そしてお父さんが死んだとしても、Webの世界に残り続ける。現実に見えないけど、生活に組み込まれた見えない大陸であるインターネット上。あの世に近いかも。
言葉の世界が中心。だからヨセフやルカにはあまり興味がない。そこで漫画ブログを作ることにした。
画用紙とクレヨンで漫画を描く。ポストイットで会話はところどころ隠す。伝えたいことはその中。置く場所も我が家のトイレの中。
お父さんの遺言は銀行の金庫には無い。見えない大陸やトイレにある。

死んだら硬い

体が硬くなってきた。関節が硬くなってきたということ。柔軟性が失われてきている。同じ動きしかしていない証拠か。歳だなあ。

体の硬さと頭の固さも連動していないか。
諸行無常の世の中、前提条件が移り変わる。それに対応できないで、聞く耳を持たないのが頭が固いということ。人の忠告だけではない。世の中、自然の観察、自分の過去の観察からの声を聞けないのが一番問題。

生きているということは柔軟なこと。死んだら硬い。

留学準備はピラミッドが重要

留学で自分に残る最大の贈り物はコンセプトを構築する力、そして人によってはセンスだと思う。
コンセプトとは、「要するにあなたの(お客さんの)求めているのはこういうことでしょ」ということを機能や形にすること。物語が裏に流れているものだと思う。
これを得るアプローチは自由な意見の交換、要するに言いたいことは何というピラミッドの構築、それを機能や形に翻訳する力。ストーリー性を観察の中から見つけ出し、コンセプトに込める表現力。

異文化の中の孤独な中で研ぎ澄まされた観察力を使って、何とか伝えようとする中でピラミッドを理解し、文化のバックグラウンドの違う中から見つけた見方をブレイクスルーにつなげる。そして作り続け、発表し続け、ブラッシュアップし、世の中に他に無い価値にしてゆく。

初心に戻って、留学準備はピラミッドストラクチャーを習得することが大切と言ったことを思い出してくれ。

どのくらい心をこめたか

こころをこめると、きりが無い。これでいいかなと、何回も考え直す。その繰り返しがプロの道かな。
でも、子ども相手だと思ったようにならない。思ったように子どもが育てば、世の中の親の苦労の半分以上がないだろう。

ちょっとむりめのかっこよさ

「蚊になれ」で書いたことだけど、人はルールを作り、協力して危機に立ち向かい、技術を発展させたことから安心して暮らせる社会が出来た。それでもあとからあとから、いろんな問題が出てくる。それに立ち向かうことができたら貢献であり、その人の価値になる。
できることなら、クララやヨセフやルカには、協力して危機に立ち向かうことをリードできる人になってほしい。そんな人がひとりいることで、みんなまとまる。何もきっかけがないと始まらない。そんな中で、きっかけになる形を作る人になってほしい。最初の一歩だ。

問題を解決しようという、ちょっとむりめのかっこよさ。
マザーテレサほどとは言わないけれど、学校時代は知識を増やすこと以上に、問題を解決するきっかけになる形を作る人になってほしい。
好きなことが技術になり、自信になり、問題解決に手を上げてみようという体験ができればすばらしい。
新しい部活のクラブを立ち上げるのでもいい。今までだれもやらなかったことにチャレンジするなら最高。
「へえー、あいつがそんなことに手を上げたのか。」
クラスメートを驚かせたら、それは50年たっても、君の印象としてみんなの心の中に残るんだ。小さなことひとつだけでも、そんなことを残してくれ。君の青春時代の中で。

白黒はっきりしない状態でも苦にならない

世の中、誤解されながら生きている状態が普通と思っていいだろう。
何か行動を起こしても、結果が現れるまで何年もかかることが多いから。その間、白黒はっきりしない状態でも苦にならない人になれればいい。

今の少年マンガのように、目線の低いことで(つまりあまり大きな志や努力を伴わないことで)ひっぱるのではない。「むり。時間やお金、能力が足りないじゃないか」とはじめからあきらめてもいけない。

必要な時期に、必要なことをしてゆこう。

蚊になれ

お父さんがルカに言ったこと。
「もし君が今、急に蚊になってしまったとしたら、世界がどう見えるか想像できるかい?目玉が君の大きさの2倍もあるトンボが飛んできて、君を食べてしまおうとする。車がビューンと走ってきて、逃げ切れないかもしれない。カエルも狙っているだろう。」
原始時代の人間も、危険がいっぱいの中で蚊のように生きてきた。そんななかで利害も対立しただろうけどルールを作って協力しあい、道具を発明し、技術を磨き、まわりにあった危険を乗り越えてきた。

今当たり前と思って生活しているけど、どんなに守られているか、社会から恩恵を受けていることか。
蚊になって、見つめなおしてごらん。

一人旅とマザーテレサ

マザーテレサはひとりでインドに渡り、活動を始めた。最初は教会もマザーテレサの試みを危険だし無謀と考えただろうし、インドの人も若い女性一人でできるわけがないと考えていただろう。いろいろなアドバイスがあったと思う。もし共感する人が誰もいなくて、マザーテレサもアドバイスを聞いて安全策をとっていたら。
自分のことよりも、今そこにいる助けを求めている人のことに集中できるってすごい。独りよがりではなかったから、その後まわりの人も彼女の活動に心を動かされた。まわりを巻き込んでいったのだ。

一人旅は基本的にリスクと好奇心とまわりの状況とを考えて動いている。好奇心の方が強くなると、不安な心であれこれ考えるよりも、まずそこへ飛び込んでいってしまう。そして自分が変わってゆく。
共通点は両者とも「あれもない、これもないからやらない」という考え方とは対極にあるということ。 それまでの常識にとらわれず、現実を見て行動するということ。

どちらから入っていってもいいけど、マザーテレサのような生き方っていいなあ。かつてお父さんは一人旅の延長で、マリアはマザーテレサに憧れてアフリカへ渡った。

全てアレンジする一人旅

日本の男の子に今必要なのは一人旅だと思う。

じわりとしみて行く語学講座

朝6時からタイマーがONになる。ラジオの語学講座が流れる。なんとなく聞いている。
じわりと染みている感じがする。

いつも作る側で味わうJAZZの国

教育と訓練。似ているけど違う。
やり方を知ることが教育なら、自分で必要なときに自由に使えるようにするのが訓練。計画と実行みたいな関係。でももうひとつ、考えて自分の作品を作る目的が先にある気がする。個人がいろいろな手段を持った現代、一番大切なことかも。
明治時代で、政府が外国に勝つように工業を育てるという目的が決められていたら、素直に一糸乱れず、ひたすら働く技術のある人が都合よかった。そのときは教育と訓練で十分。それぞれが自分の作品を作ろうとしたら、工場は動かないからね。

バレエや音楽は習いに行ったら訓練が中心。自分でこれを好きな音楽に合わせて、どう組み合わせて踊るか。これが目的。音楽なら作曲かな。いや、いい例がある。Jazzだ。
いつでも作る側の気持ちになって、教育や訓練を受ける。現実の世界で、何に応用することを習っているのかをまずイメージする。訓練や教育は、ばらばらのパーツとして行われることだから。

Jazzの国では、いつも作る側で味わおう。別の世界が見えてくる。

コーヒーショップも仲間と頑張る場となった

ルカが家でどうしても勉強が出来ない。ゲームか漫画か映画を見ることで時間が過ぎる。
はじめは「受験生だから家庭学習が大事、勉強しなさい」と、お母さんが毎日言うも、ちっともやらない。ストレスがたまって、ついけんか。雰囲気が悪かった。
でも、実はお父さんもお父さんも家では勉強できなかった。自分で自分が弱くていやになったけど、図書館に行くことで解決できた。これは事実だ。だから、考えを変えて提案。
「家はゲームでも映画でも好きなようにして過ごしていい。そのかわり1時間くらい、自習室へ行って勉強してきなさい。」
そこにさえ行くことが出来れば、周りに勉強している仲間がいる。それぞれのペースで、干渉しないで。
お父さんは大人になってその場所が図書館からコーヒーショップになった。周りを見ると、同じような目的の人たち。

似て非なるものを意識する

お父さんは新しい解決方法を考えるとき、意識的に別の分野で似たようなパターンの例を見つけ、違う点をさがして書き出すことにしている。つまり似て非なるものを見つける。
また、どうも言いくるめられたなあと感じたときや、反論が出来ないときは、どこが違うかわからないことが多い。

テニスでボルグが出てきたときには、今までとまったく違う常識破りのスタイルだった。これが悪いとコーチが決め付けていたら、ウィンブルドン5連覇の偉大なプレーヤーは出なかっただろう。トルネード投法の野茂もしかり。彼らに合った、現状を超える解決方法だったわけだ。
固定観念で「こんなフォームじゃだめ」と笑ったり禁止したりする前に、似て非なるものを見つける力があるかどうかだろう。

偉大なコンセプトを発表したコンピューターの学者は、自然の出来事の観察からヒントを得ているという。いままでのプログラミング理論をもとにしていたわけじゃなかった。別の分野をみていたと言うことも知っておくといいよ。

反対側にある真実

安全な、常識に乗った道を行くだけではなく、反対側にある真実を経験することも必要。だけど、2つばかり押さえておきたいことがあると思う。
若いときはこれを経験することが必要なんだけど、なりたい自分のゴールが必要。地図がないと反対側だかなんだかわからない。
この何年間の、若いうちにこれをやっておかないと、後は出来ないという意識も頭に無いとね。社会人では時間が無いとか、感性が鈍感になってやるつもりもうせてしまうとか。
あとは補助的に痛みを和らげる場所や人、よりどころにする宗教や哲学がいるだろうなと思う。そういったものが無くても進める人はいる。でも、そういったものを持っている人は、無い人にとっては理解できない人間的な深さがある。

宿題が終わらない

宿題をやらないでおいて、夏休みの終わりになって自分から病気になる道を選んでしまうことがないように。過ぎてしまった時間はとりもどせないけど、今から自分を変えたいのなら3つのことを思い出して。
「住んでいる場所を変える。
時間の使い方を変える。
付き合っている人を変える。」
図書館に行くことは3つの条件を満たす。カフェも同じかな。
家はエネルギーを回復し、リラックスする場所だよ。

宿題の本質は「決められた時間内で判断を下す訓練」だとお父さんは考えている。結果は2の次だ。社会人になれば気がつくと思うけど、世の中のできごとには決まった答えはない。判断が間違っていることも多い。今まで正解と言われたことが間違いになることも日常茶飯事。だけれども、決められた時間でなんとか判断しなければいけないということは生涯出てくる。

「宿題の量が多い、難しい、やる気が出ない、時間がない、意味ない。」
いろんな言い訳が出るだろうけれど、君は「決められた時間内に判断が下せなかった」ということじゃないの?

痛みを和らげる

「痛みはあなたのエネルギーを奪います。
強い倦怠感はもう何もできないと言う無力感を招きます。
吐き気はあなたを1日中不愉快な気分にさせます。
気持ちの落ち込みはあなたの力を奪います。
希望が見えないと言うことは、あなたを絶望の淵に追いやります。」

人間関係の悩みやいじめにあった人も共感すると思う。
この言葉はがんの患者さんへのメッセージ。病院に貼ってあったポスターの言葉
病気の人も、悩んでいる人も、まず痛みを和らげることが次へのステップなんだなあ。

歳を取らないのは昔の影を見ているから

お母さんを見ていても、ちっともかわらない。きっと写真で比べると違うけど、見ているのは出会った頃のイメージ。目の前を見ているようで見ていないということかな。
クララも一緒。ヨセフもルカも。

林学科卒IT企業の社長

お父さんの友達で大学の林学科を卒業して、ヘッドハンティングで外資系IT会社の社長にまでなった人がいる。
実は中学高校時代、彼は英語が大の苦手。成績もたいしたことない。お父さんの仲間内では、赤点の数が多い人ほど「男爵」「伯爵」「公爵」と呼んで競い合っていた時代。(あほを自慢していたくらいだから、のんびりした校風だった)そして彼も「男爵」くらいの爵位を持っていた。大学も浪人して、当時あまり人気のなかった林学科へ進んだ。
その後、時代はオフコンブーム。猫も杓子も事務のOA化。そんな変化の時代に卒業したもんだから、オフコンとソフトを扱っている会社に就職。
実はそのころのソフト会社は「ソフトは文章だから、文学部でもいい」ってなわけで、理科系に限らず、だれでもいいからプログラマーとして採用した。彼は山登りで学生生活を過ごしていたようなやつだったけど、プログラマーになった。
それからなぜか海外転勤。ロンドンとニューヨークへ駐在。学生時代を知っている仲間はこれだけでも絶句。信じられないけど、その後ずっと外資系の会社で、上司は外国人という環境。今は超大手コンピューターソフト会社の営業部長。もちろん外資系。

彼は学校の勉強はできなかったけど、ギターを独学で勉強したり、ひたすら山に登ったり、自分から興味を持ったことには、とことんこだわった。なんでも自分で独自の方法を考えてやってみた。音楽を聴くだけや、山を見るだけでは満足しなかった。学生時代にはペルーの山へ遠征したり、50歳を過ぎた今は、ギターの発表会に出ている。恥ずかしいという気持ちより、やってみなければ気がすまないのだ。

学生時代の成績ではない。何も知らなくても自分で考え、必要なことは一から調べて行動に移す。これが人生を決めるのだと思う。

そこにあっても見えないゲーム世代との断絶

なんか、このタイトルのようなことを感じたんだよね。詳細は忘れた。

受験で考えなくなる?

「ひとつの確実な答えがある」ということは、社会に出ると少ないことがわかる。答えが無い問題のほうが多い。お父さんは毎日そんな問題に出くわしている。
受験にはまりすぎると、しつこく考えなくなる恐れが。時間ないし、公式覚えればいいし、正解はひとつだし。
アメリカはどうかな?

集中して聞くのは5倍頭を使う

5倍頭を使ってる?

表現したいものを持ってニューヨークへ

ラジオで日本人グラフィックデザイナーのインタビューをやっていた。彼女は日本でハリウッド映画のポスターのデザインをやっていて、ある程度自分の作品スタイルを確立してから、ニューヨークに仕事の拠点を移したそうだ。
「しっかりした自分を持っていかないと、ニューヨークにつぶされる。」
なにせ、すごい才能のある人たちがうじゃうじゃいる。
「行けば何とかなるだろうという考えでニューヨークに行った日本人は、90%の人が世界相手の仕事は出来ずに、日本人相手の仕事でこじんまりと暮らしている。また、日本人コミュニティーが心地よくて、それに満足してしまう。」ということだそうだ。
せっかく世界の舞台ニューヨークで仕事をするなら、世界を相手にしてほしいというのが彼女の考えだ。
そう、意外に海外での日本人コミュニティーとの付き合いはやっかいだ。海外に住んでいても、みんな日本のほうを向いているからね。

グローバル経済という時代に生きている。はじめてインターネットに繋げて、リアルタイムでアメリカの天気の衛星画像が出てきたときは、お父さんはたまげた。94年か95年だった。でも、今ではみんなにとって、ごくあたりまえのことだろう。
今は地球規模で仕事も考えていくのが当たり前の時代だと思っている。台湾の人と話すと、「いとこがニューヨークにいる」なんてよく聞く話。
お父さんにとっては、日本の大会社の人より、台湾の小さいけれど、世界中で仕事をしている会社の人のほうがすごい。もっと言えば、日本で出稼ぎに来ている南米の人もすごい。

そこでまず乗り越えなければいけないのは、思考回路と言葉の問題かな。それから、作品を発表し続ける動機付けと情熱。自ら環境を変えることも必要。そして、そういう世界やそこへ行く道のりがあるということを、教えなければいけない。
たくさんのチャレンジしている人たちと出会うこと。「自分でもやってみようかな」、「できそうかな」、そして「なんだやれるじゃん」となってほしい。そうすれば後の人は、「あの人でもやれたんだから、私も」とついてゆける。

「作品」という言葉を「自分の考え」や「提案」「表現」と読み替えてもいい。
そしてコミュニティーの世話役よりも、異端者たれ。

パティシエになった世話役

協力隊の先輩で、その地域にいる日本人の隊員の世話役的な人がいた。活動の成果よりも、面倒見のいい、気がつく日本人コミュニティーの世話役としての存在感が大きい人だった。
風のうわさで、彼はその後単身ヨーロッパに渡り、修行をしてパティシエになったと聞いた。
本当はアフリカでも日本人相手ではなく、現地の人を相手に活動の成果を残したかったと思う。その心残りだった力を使って、当時はまだなる人も少なかったパティシエの道を開いたのだろう。
心残りの力とチャレンジする力が残っていれば、新たな世界が開けてくる。

湖の日の出

周りの人や親に敷いてもらったレールの上を離れ、自分で決めて目指した場所に向かい歩き出した経験。初めての一人旅。
身の回りのことも、次に行く場所のことも、その町に居場所を作ることも、全部の神経を使って自分で行ってゆく。
はじめは寄りかかるものも無ければ、スムーズな道も無い。自分勝手は自分の首を絞めるだけ。
ゆっくり踏み出していって、1ヶ月2ヶ月とまとまった時間をすごす。
この経験は、お父さん流にたとえて言うと、湖の上の日の出のような時間だ。
そういえば、いつか見た琵琶湖の日の出は、クララの今を暗示していたのかもしれないね。

力を入れると筋肉が縮む

速い球を投げようとしたとき、手がビューんと伸びるようになればいい。だけど思い切り投げようとして力を入れると筋肉は縮む。りきめばりきむほど記録は伸びない。
早く、強くと、縮むのは逆方向。究極は、死んだら関節も固まってしまう。どうしたらいいんだろう。

力を入れると筋肉が縮む。それを逆方向に作用させる。それには支える固定点が必要。
右パンチのときの左手。支点は左肩?
テニスのサーブのときも、支える点が左肩、首は逆に流れるように見える。

目的を達成したいと願っても空回りするときは、支える部分と力を入れる部分をみなおす。パンチの右手ばかりにとらわれないように。支える点と陰の部分が大切。
支える部分、縮む部分があって、伸びる部分があるはずだ。

自分だけの宝

大学1年生の夏、初めてユースを使って一人旅をした。
鈍行に乗って、木曽路を西へ。
中津川の山の上のユースに泊まって、一期一会の出会いを経験した。
「せっかくここで出会えたんだから、恥ずかしがらずに気軽に話しかけなくちゃ。」
そう言って卓球に誘ってくれた青年は、今は名前も覚えていないけど、その言葉は一生こころに残るものとなった。
アルバムにも無い、自分だけの宝を得た、はじめての一人旅だった。

感謝して食べる永平寺

食事への感謝がたりないと反省。お父さんでした。

古賀選手の練習

最初のオリンピックで勝てなかった柔道の古賀選手。「色々な先生がアドバイスをしてくれた。こういう風にすればいいと。それを実行してきた。でも、試合になって、「あれ、どうすればこの相手に勝てるのだろう」って思った。自分で考える力がついていなかった。」
それからの古賀選手は、勝つためにはどうすればいいかと常に考えて、自分で練習も工夫した。人のアドバイスをこなすのではなく、自分で考えた。
バルセロナ大会で途中大怪我を負った。しかし古賀選手は痛みが引いたとき、勝てると思ったという。そして金メダル。

お父さんは古賀選手の言葉に共感を覚える。少ない材料でも設備でも、自分の問題解決の力をつけることは出来るから。

一口目が美味しいのには気をつけろ

地味な味わいをわかる人になればいい。

人が変わるための3つの方法

1.時間の使い方を変える。
2.住む場所を変える。
3.付き合う人間を変える。

大前さんによれば、人が変わるには、この3つの方法しかないそうだ。
お父さんも同感。
留学や旅は、その条件を見事に満たしている。

提案が信用になった

自分の考え、アイデアを構築し、提案することが信用になった気がする。
約束を守るのも大切だけど、文化を超えて信用を得るには、普遍的な人間愛や、自分の考えを提案することも、加えて必要だということを発見した。

イギリス人とのやり取りで鍛えた伝える力

異文化の人に伝える努力が、英語を上達させたと思う。お父さんは仕事のメールが英語道場だった。

君の仕事はどのくらい不確定要素が高いか

人を動かす(または感動させる)のが仕事?それとも自分ひとりで与えられたことを処理するのが仕事?
他の人が関わる仕事は、不確定要素が高い。思い通りにすすまない確率が高い。つまり難しいということを忘れないで。より準備が必要だ。その場限りでは進まないよ。
相手に合わせて、自分の組み立て順を変えるということも意識しよう。

役割を作る方?時間を守ってこなす方?

宿題嫌いなら、自分の好きな作品を作り続けられるか?そういう道もある。コンテストなどの評価される場へ、作品を出し続けられるか?
それも出来ないなら、時間を守ってひとつひとつ、宿題をこなしてゆくしかない。

飼い殺しにするな

自分で自分を飼い殺しにするな。

証明するため要だけ抑える

いろいろアドバイスを受けても出来ない。
自分が前へ進んでいることを証明する、要のひとつのことだけを指標におさえる。
何を要に選ぶか、自分で考えて決めること。

しつこく具体的にをみんな忘れてる

結果をどうこう言うのは簡単。
「しつこく」
「ひとつひとつ具体的に」
「そのためには何をするか」
これらを考え、実行して続けてゆく。それを皆忘れていないか。

女子スポーツ選手はダイエットいらない

確かマラソンの谷川真理さんが雑誌の対談で言っていたけど、現役時代コーチがダイエットをしろと言わなかったそうだ。それが40歳を過ぎた今でも、故障無く走れる理由とのこと。ダイエットは骨に影響するのか、故障の原因となるそうだ。そういえば多くの女子マラソンのトップが、故障のために選手生命を縮めている。

クララもダイエットはいらない。気にせず健康にいいものを食べるように。

たぶん3ヶ月

ペルーとウルグアイの旅は50日ほどに及んだ。一緒に旅を続けたのは、旅の途中で知り合ったウルグアイ人の学生たち。スペイン語半分、英語半分のような日々。持っていたのは4ヶ国語旅行会話だけ。そして頼れるのは、出会ったばかりのウルグアイ人の学生。
1ヶ月を過ぎた頃からか、スペイン語の語感が耳になじんできた。さらっと口から出たのは、耳から覚えたスペイン語。英語は相変わらず頭の中で日本語からの英作文。
多分3ヶ月この生活が続いたら、もっともっとスペイン語が話せただろう。伸び盛りの赤ん坊のように、真っ暗な闇夜が明けてゆくように。
どっぷり浸かり続けて1ヶ月、3ヶ月が、ひとつの区切りのような気がする。

日本を出て2ヶ月ほどした頃、アマチュア無線で日本と交信する機会があった。日本語がとてつもなく懐かしい言葉に聞こえた。ずっと無線機のマイクの前で、雑音にかき消される声に、「もしもし、もしもし」と話し続けていた。

少ない材料で深く考える「本の向こう側」

読んだ時間の5-6倍の時間を、味わうことに使いたい。自分に、どう応用できるかどうか考えることに使いたい。
「ホームレス中学生」に、ご飯をすーっと噛んでいれば、今まで味わえなかった特別の味があると信じて噛みしめたというくだりがあった。「味の向こう側」という呼び方をしていたと思う。
お父さんはカフェで、本も何も無くても、メモと鉛筆があれば、「本の向こう側」を味わえることがわかった。

スパンを変えて考えて

お父さんはクララに世界の舞台へ出ることを勧めた。おじいちゃんも大賛成だった。
実はおじいちゃんも常識に反して、お父さんのアフリカ行きを応援してくれた。そしてひいおじいちゃんも、徳島の小さな漁村の常識に反して、おじいちゃんを東京の学校へ送り出した。
長いスパンでみると、この流れが続いているんだ。そのおかげで今がある。
お父さんも自分や回りのことだけではなく、ひいおじいちゃんにも恥ずかしくないようにやっていこうと思っている。

賽の河原の重労働

「死にたいのなら重労働をさせればいい」と、あるキリスト教の小説家のコメント。通り魔殺人の若者へ。
そういえばお父さんの小さい頃、お寺で地獄の絵を見ることが出来た。悪いことをすると、賽(さい)の河原というところで石を積む仕事をさせられる。やっと高くなってきたと思ったら、鬼が来て崩してゆく。またひとつひとつ積んでゆく。この繰り返し。
際限の無い、達成感の味わえないというより、がっかりするばかりの重労働の繰り返し。キレることは許されない。楽になろうとして死にたくても、もう死んでいるからこれ以上死ねない。だから地獄。
自分勝手なことばかり言ってると、地獄に行くよ。