お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Monday, October 08, 2007

表現したいものを持ってニューヨークへ

ラジオで日本人グラフィックデザイナーのインタビューをやっていた。彼女は日本でハリウッド映画のポスターのデザインをやっていて、ある程度自分の作品スタイルを確立してから、ニューヨークに仕事の拠点を移したそうだ。
「しっかりした自分を持っていかないと、ニューヨークにつぶされる。」
なにせ、すごい才能のある人たちがうじゃうじゃいる。
「行けば何とかなるだろうという考えでニューヨークに行った日本人は、90%の人が世界相手の仕事は出来ずに、日本人相手の仕事でこじんまりと暮らしている。また、日本人コミュニティーが心地よくて、それに満足してしまう。」ということだそうだ。
せっかく世界の舞台ニューヨークで仕事をするなら、世界を相手にしてほしいというのが彼女の考えだ。
そう、意外に海外での日本人コミュニティーとの付き合いはやっかいだ。海外に住んでいても、みんな日本のほうを向いているからね。

グローバル経済という時代に生きている。はじめてインターネットに繋げて、リアルタイムでアメリカの天気の衛星画像が出てきたときは、お父さんはたまげた。94年か95年だった。でも、今ではみんなにとって、ごくあたりまえのことだろう。
今は地球規模で仕事も考えていくのが当たり前の時代だと思っている。台湾の人と話すと、「いとこがニューヨークにいる」なんてよく聞く話。
お父さんにとっては、日本の大会社の人より、台湾の小さいけれど、世界中で仕事をしている会社の人のほうがすごい。もっと言えば、日本で出稼ぎに来ている南米の人もすごい。

そこでまず乗り越えなければいけないのは、思考回路と言葉の問題かな。それから、作品を発表し続ける動機付けと情熱。自ら環境を変えることも必要。そして、そういう世界やそこへ行く道のりがあるということを、教えなければいけない。
たくさんのチャレンジしている人たちと出会うこと。「自分でもやってみようかな」、「できそうかな」、そして「なんだやれるじゃん」となってほしい。そうすれば後の人は、「あの人でもやれたんだから、私も」とついてゆける。

「作品」という言葉を「自分の考え」や「提案」「表現」と読み替えてもいい。
そしてコミュニティーの世話役よりも、異端者たれ。

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