お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Sunday, January 23, 2011

ファイティングポーズ

すべての基本、自分でモチベーションを維持することはたいへんだ。
モチベーションの維持とは何か?
姿勢かな。

たこたこ揚がれ

志がかなって、空高く舞い上がりたいものだ。
そんな誰でもが描く願いを象徴しているようで、凧揚げはみていると面白い。

まず、風のないところでは、どんなに努力しても上がらない。
全力で走って凧がふわりと浮いたとしても、じき落ちてきてしまう。
投入した労力は無駄になる。
風のある日、風のある場所を選ばないといけない。
地上にはあまり風がなくても、高いところにさわやかな風が吹いている場所が一番いい。
みんな気がつかないから、大空をひとりじめできる。
顔を上げて、流れる雲を見るがいい。

風が強すぎてもいけない。壊れたり、糸が切れたりする。
むりはいけない。

風がゆるかったり、あまり助走ができない場所でも、糸をタイミングよく「くっくっ」と引くといい。
反発するように「ぎゅん」と姿勢を正し、持ち上がる。
凧が姿勢を正すことで、また勢いを取り戻すんだ。

自分が凧だとしたら、いまはどうしたらいいかな。

Wednesday, January 19, 2011

プロの養生

野球選手もそうだけど、体が資本のプロは、普段の生活リズムや食べ物、ぐっすり眠れることなどの体調管理にも気を配っている。これで身を立てようというプロにとっては、体調管理は真剣に行わなければいけない。楽しみにしているお客さんや、支えてくれているスタッフのためにも必要だから。
「相手は気を悪くしないか」と誘いを断ったりするのは若いときには難しいかもしれないけど、プロ意識があるかどうかが試されているのだ。

Tuesday, January 18, 2011

あんまり抵抗ないな

お父さんはどこの国の人でもいい。尊敬できて心通じ合えれば、日本人でなくてもOK。実際、海外の旅先で、見知らぬ地元の学生に世話になったりした経験が、そんな感覚を育てたんだと思う。

商売は台湾の会社を先生だと思っている。
家族に対してがんばっている姿は、イギリス人の友人にけっこう感動している。
落ち着きはドイツの人たちに学ぶものがあったし。
会社もうまく経営できる人がいれば、特に自分がやることに固執しないと思う。どこの国の人でもいいかな。今やっている仕事の目的が達成できるのであれば。

前にもブログで書いたけど、若いころ、日本の先達がいい製品や技術を持って海外に出てくれたおかげで、日本人として安全に、敬意を持って旅先で迎えられたことがありがたかったし誇らしかった。
自分も次の世代のために、そういった足跡を残せればいいなと思うだけ。

もちろん商売で騙そうとする人がうようよいる場所もある。自分をしっかり持たなければいけないということも、海外に住んで実感した。せっかく生きてるから、ただただ願うのは「価値を出したい」ということだ。

Sunday, January 16, 2011

経験の少なさをカバーする

オーディションで即戦力を求められたとき、経験の少ない若い人は不利かも。
どうする?
図書館に答えがあるくらいだったら、やはり経験者には永遠に勝てないということになる。
違うでしょ?
新しいものを生み出す、考えて磨き続ける方法を、普段から実践しつづけていれば、きっとディテールでスパイスが効いてくる。
同じ人間のやることだから、材料はほとんど同じ。
組み合わせやスパイスで勝負。
君たちは答えのない時代に生きている。

オーディションは緊張するよ

オーディション、夢に近づけるかと思うと緊張するね。
考えてみると、オーディションも受けるほうの立場と、募集する立場のオーディションへの思いがある。
募集する立場としては、現在のチームが新しい人の加入によって活性化し、より向上するような人に来てもらいたいだろう。今のチームに足りないスキルをもつ人材、今のチームの向かってゆこうとする方向を理解して協力してくれる人材。そのときだけの応援でなければ、将来のチームを背負ってくれる人材が欲しいわけだ。
とりあえず仕事がないから、体裁のいいところに滑り込みたいとか、人の話を聞かずに、自分の持っているもののアピールばかりする人はごめんだ。
優秀でも悪い人材を採ると、チームは2重に被害を受ける。その人に期待していたことが解決できないままになることと、その人が今のチームのメンバーをマイナス方向へ引きずりこむリスク。
尊敬できる審査員は、君を採用することによって、よりお客さんに喜んでもらえるチームができるかということを考えているだろう。審査員は君の技量やなんだかんだということを通り越して、自分がお客さんになって君をみたときに、なにか共感を得られるかを考えるだろう。
君が練習のときからいつも考えているだろう「お客さんをどうしたら満足させられるか」ということを、審査員が共感できれば良いわけだ。

さて、それではオーディションを受ける人は、どんな準備や心構えが必要か。
まずはこうした審査員の心情を理解することだ。
審査員はすごーくえらくて、なんでもお見通しで、王様のような存在ではない。君と同じように「誰に可能性があるのか」を失敗するかもしれないリスクにビクビクしながら選んでいる。
もちろん見ているときは心理的に優位にあるからビクビクしているように見えないけど、結論を出すときは「ほんとうにこの人でよかったんだろうか」と心配になる。そして選んでからはずーっと心配し続けなくてはいけない。立場逆転だ。決断が下されるまでは応募した人が「選んでもらえるだろうか」「どんな人が受験しているんだろうか」と心配をし続けていたからね。
ソウ思うと、ちょっとは緊張もほぐれるよ。決断する迷いが出たときに思い出してもらえれば良い。
この審査員の人は尊敬できそうだなという人がいれば、その人が選ばなかったということは、そこよりももっとあった場所があると教えてくれることだったかもしれない。または、今はまだちょっと採用を迷ったけど、次の機会に出会ったら「この間は迷ってごめんなさい。よく来てくれたね。今度は是非仲間に入ってくれ。」といわれるかもしれない。全部舞台裏まで、空の上から映画を見ているように、冷静に見通せたらいいね。

とりあえず2次で選ばれなかったとしても、1次に合格とは、初めてにしては上出来、吉報だ。

Monday, January 10, 2011

集中することはお客さんに満足してもらえるかどうかということ

誰を満足させて幸せにするか。
誰に共感をしてもらいたいか。
そうは言っても他人は気になるし、となりの芝生は青いよね。
自分の見栄えが大切か?たとえば止まって、かっこよくスキーのポーズをして写した写真。これに価値があるのか?
滑ってどんどん変わる斜面の中で、なんとかバランスを取るから、面白いし、美しいし、価値がある。臨場感が伝わってきて、共感できるのだろう。

みんな先に行っちゃった

タイタニックが沈みかけているとき、救命ボートに乗客全員は乗れないことが判明した。
そこで船員はアメリカ人の男性にこう言った。「レディーファーストですので、勇敢な男性は船に残って下さい。」
イギリス人男性に向かってはこう言った。「紳士の方は船に残っていただけると思っています。」
そして日本人に向かってはこう言った。「船に残ってください。みなさんそうしてらっしゃいますから。」

どうも日本人としては、他のみんなと違った道を歩いていると、不安にさいなまれやすい。考えても仕方ないことにとらわれて、グルグルまわり。実質的に問題解決するのでは無く、思考停止状態になってしまう。

きっと几帳面なんだろうな。
英語をしゃべるのに、知らない単語や文法が気になって、うまくコミュニケーションできないような具合に。不安の中を旅するのが当たり前。知らない単語は聞き飛ばし、あとで「要するに言いたいことはこういう事ですよね?」と相手に確認するほうが、よっぽど相手から信頼を得られるのに。

子どもの頃、「置いて行っちゃうよ」と言うのが、親の決まり文句の国だ。
「 みんな先に行っちゃった」と感じたら、その不安を乗り越えようとしている自分をほめてあげなさい。
「ひとりでできるの?偉いわね。」って。

Saturday, January 08, 2011

産みの苦しみ

何かを生み出そう、流れに乗せようとした時の産みの苦しみ。これは君たちに是非経験しておいてもらいたい事。

世の中の大半は相手のある事で、自分の思う通りのペースで願う事は進んでいかないものだ。そうなると諦めたり心から楽しめなかったりするよね。
相手次第で振り回されるより、どうせならもっと魅力的なものを自分で生み出そう。結果的にお客さんや協力者がどう動いてくれるかがカギになるとしても、納得がいく。共感して動いてくれたら、ありがたいなという気持ちがあふれ、感動で満たされる。

未来の楽しい姿を思い浮かべながら、先の見えない今をすごそう。そして、生み出そうとするものの具体的な細部を、磨き続けて行けたらいいと思っている。

Sunday, January 02, 2011

積み上げてゆく人生

いろんな資格を取るより、ひとつの専門分野を積み上げていったほうが太い幹になる。
「どれを専門にしたらいいかわからない」と決められなかったり、「もともとの家業はこれだから」と心理的にとらわれる場合もある。
木の成長でも、どんなかたちにどこから枝が伸びてゆくなんて、木ははじめから知っているわけではない。軌道修正はいつだって遅くない。
成功した人だって、若いときに波乱の人生を送り、学んだのと違うことを伸ばして幹にした人のほうが多いだろう。
これを磨くぞって腹をくくることができればいいだけだ。

年末総集編

自分で言うのもなんだけど、2007年2月4日の「スキー」って文章好きだなあ。

絶対くじけそうになるときがある

何かを形にしようと思ったり、夢を実現したいと思ったら、絶対1度はくじけそうになる。そういうもんだ。
もしそれがなかったら、きっと磨き方が足りないか、井の中の蛙大海を知らずだ。

怖くなって、自分をかっこよく維持したくて、レベルを落としてくじけそうになる場面を避けることもできる。後味が悪いから、さらに自分にうそをついて言い聞かせようとする。

求めるゴールは永遠に手の届かない逃げ水のようなものかもしれない。
それでも得られる果実は、武士道のような共感。そのレベルに達したもの同士にだけに与えられた、共感の世界。これがいい。

一年の計

お正月は計画を立てるとき。
作戦を立てたり、計画を立てるときの黄金の思考パターン、覚えているかな?
自分の努力だけでは解決できない「お客さんを相手にすること」について計画を立てるとき、参考にしてくれ。

【WHY→WHAT→HOWの順で計画を組み立てる。プレゼンテーションと同じ】
「なぜそれをやるのか」「何でそれをやるのか」「どのように/誰に対しては、どのような順でそれをやるのか」

◆WHYの中身:「じゃぱねっとタカタ」のパターンで。
「世の中こうですよね(前提条件)」→「だからやることはこれ。これが役に立ちます」→「効果(価値)はこんなに。でも手間(価格・手間)はこれだけ。お得です」

◆WHATの中身:「商品説明」のように。
「やるのはこんなこと(範囲、商品サービスの内容)」→「なぜこれが役に立つのか」→「有効成分(ほかにない強み)はこれ」→「応用が利いていろいろ使える(ポテンシャルが大きい市場)」→「まだ新しい(競合が少ない)」→「そしてここが他には真似できない優位性」

◆HOWの中身:「こんな場面にはこう使う」という個別事例と詳細
「夢(目的)が達成できる仕組み(ビジネスモデル)はこんなもの」→「この仕組みが完成したら結果がこう出る」→「お客さん(選んでくれる人/市場)をこのように分けることができる」→「お客さん(または先生やオーディションする人)Aグループに対してはこれで勝負」→「お客さんBグループに対してはこれで勝負」→「だって以前こう言われたから」→「決め技はイナバウワー(キラーコンテンツ)」→「この順番で段階を踏んでゆく(段取り)」→「たりないものはこれだ」→「リスクはこれだ(こうなった場合の次善の策はこうだ)」

苦労のイメージ

いやなことをやっていなければ、苦労は快感にもなれる。
他の人が「たいへんだよ」「えーっ、そんなことやるくらいだったら・・・」ということも、やってみると楽しかったりする。
まわりがそう言うからと怖気づいていたらもったいない。他の国の人が嬉々としてやっていることもあるよ。
皿洗いや掃除や窓拭きだって同じ。お金の苦労も勉強も練習も同じ。

組織の人間関係がいやだったら独立起業すればいい。同じ人間関係を作る場面でも、自分の都合でやる場合は苦痛というよりありがたい。

お父さんの着陸態勢

飛行機の操縦は離陸より着陸が難しい。

若いときは離陸のようなもの。
課題は「どうやってエンジンをふかすか」「助走をどうやって取るか」「どこに向かって飛び立つのか」「どうやってエネルギーを確保するのか」
動機、情熱、徐々にスピードを上げる、その間守られる、目指す夢などがキーワード。

中年以降は着陸態勢。
課題は「スピードとバランス」「急な横風への緊急対応」「着地点」「進入プロセス」「相手とのコミュニケーション」

でもお父さんは新しい仕事を軌道に乗せようとしているから、離陸中かな。

2つの道

作戦は2つの道に分かれる。
地元でお客さんにこだわり、密着して生き延びる。宝塚みたいな道。
もうひとつは広い世界相手に、人が集まり、どんどん豊かに変化しているところに出かけていく道。

ルールを変える国

勝てないと思うと、ルールを変えてくる国がある。
ルールは金科玉条で守らなくてはいけない、変えることは考えもしない民族がある。
自分の持っているものから応用できることを見つけ出そうと、組み立ててゆく企業がある。
まず理想を掲げて形にしていって、足りないものを協力を仰いで市場から集める企業がある。
その事実を知っていれば、騒いだりすることなく、事前に準備対処できる。
What if で常に前提条件がかわったらどうするか、考えておきなさい。
デジタル時代になって、すごく前提条件が変わった。
かつての弱かったものが、逆に強みになる時代だ。

ルールとはちょっと違う話だけれど、クララのやっていることはダンス。芸術を理解してもらえるトップのグループの人たちの心を、まずつかむことだ。
高い品質を求められる。
それに成功したら、その下の中間層のグループへ。応用した出し物を提供できる。景気によってちょっとお客さんの波があるかもしれないけど、トップグループの人の心を捉えてはなさなければ、安定してチャレンジし続けることができるよ。

Saturday, January 01, 2011

海外転勤いやだよ その2

しきたりが多く閉鎖的で窮屈な田舎から、自由でおしゃれで刺激的な都会に出てみたいという若い人がたくさんいたと思う。
田舎から東京へ。
留学や海外での仕事も同じように考えられないかなあ。
世界の田舎である日本から世界各国へ。
きっと君たちは今の時代において、日本が世界の田舎だっていう感覚がないんだろうな。
東京はビルがたくさんあって、物もあふれているから勘違いするだろうけど、いろいろな違ったものを受け入れてどんどん変化するのが都会だよね。保守的で安全志向で縮んでゆくのは田舎。

台湾の人も韓国の人もどんどん海外に出ている。そしていろいろな国の人との出会いの中で磨かれていっている。
クララはそれを知っているよ。

海外転勤いやだよ

お父さんが初めて就職した工事会社でも、まわりにいた先輩たちの意見は「海外転勤いやだよ」だった。もう30年前のこと。
アフリカで超一流商社の駐在員さんから聞いたのは、「私みたいに海外勤務している社員の割合は、商社でも10分の1しかいないよ。みんな海外勤務したがらない」だった。これも30年前の1980年代半ばの話。
今、このグローバル化の時代に日本の若い人は内向きになっていると言われているが、じつは30年前にその芽がすでにあったと思う。これは食わず嫌いと同じだということを、ぜひみんなに言いたい。

初めて就職した設備工事会社はシンガポールに工事現場があったけど、そこにいくと「5年以上帰ってこれない・・・だからお嫁さんも見つけられない。それに本社に帰っても出世の本流から外れる。」という話がまことしやかに噂されていた。なんだか仲間はずれになるような感じ。
そしてお父さんはどうしたかというと、シンガポールの仕事には手を挙げなかった。
なぜか。
協力隊に参加する年齢が遅れてしまうのはいやだったから。早くアフリカに行きたかったから。それに会社に使われて海外の仕事をするより、もっと自分でいろいろチャレンジできる協力隊のほうをやってみたかったからだ。

結局お父さんは会社をやめて青年海外協力隊に参加し、海外での仕事に付いた。学生時代からの夢だった。実は工事会社に入ったのも、その夢を実現する手段として実務経験が必要だったからだ。
何も頼るものが無いところから初めて地元に友達を作り、だんだんとやりたいことを実現する環境を整えていくプロセス。振り返ると人間力の勝負でもあり、日本にいるのと比べて何倍もの出会いと充実感があった。たった一度の人生が豊かになったと思っている。

この充実感や湧き上がる感謝の気持ちをみんなにも経験してもらいたい。
「虎穴に要らずば虎児を得ず」
飛び込んでみないと絶対得られないことがある。