海外転勤いやだよ
お父さんが初めて就職した工事会社でも、まわりにいた先輩たちの意見は「海外転勤いやだよ」だった。もう30年前のこと。
アフリカで超一流商社の駐在員さんから聞いたのは、「私みたいに海外勤務している社員の割合は、商社でも10分の1しかいないよ。みんな海外勤務したがらない」だった。これも30年前の1980年代半ばの話。
今、このグローバル化の時代に日本の若い人は内向きになっていると言われているが、じつは30年前にその芽がすでにあったと思う。これは食わず嫌いと同じだということを、ぜひみんなに言いたい。
初めて就職した設備工事会社はシンガポールに工事現場があったけど、そこにいくと「5年以上帰ってこれない・・・だからお嫁さんも見つけられない。それに本社に帰っても出世の本流から外れる。」という話がまことしやかに噂されていた。なんだか仲間はずれになるような感じ。
そしてお父さんはどうしたかというと、シンガポールの仕事には手を挙げなかった。
なぜか。
協力隊に参加する年齢が遅れてしまうのはいやだったから。早くアフリカに行きたかったから。それに会社に使われて海外の仕事をするより、もっと自分でいろいろチャレンジできる協力隊のほうをやってみたかったからだ。
結局お父さんは会社をやめて青年海外協力隊に参加し、海外での仕事に付いた。学生時代からの夢だった。実は工事会社に入ったのも、その夢を実現する手段として実務経験が必要だったからだ。
何も頼るものが無いところから初めて地元に友達を作り、だんだんとやりたいことを実現する環境を整えていくプロセス。振り返ると人間力の勝負でもあり、日本にいるのと比べて何倍もの出会いと充実感があった。たった一度の人生が豊かになったと思っている。
この充実感や湧き上がる感謝の気持ちをみんなにも経験してもらいたい。
「虎穴に要らずば虎児を得ず」
飛び込んでみないと絶対得られないことがある。
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