お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Saturday, June 30, 2007

構想は紙とにらめっこ

お父さんには未来が見える水晶球がある。それがマイブック。
大切なのは頭の中に断片的に思い浮かぶことをその場でメモすること。すぐ消えちゃうんだよね。こいつはいい発見だと思っていても。一瞬で忘れちゃう。でもこれが材料となるんだ。
次に大切なのは、いろいろ浮かんでくる予感がしたときに、雰囲気のいいコーヒーショップに入ること。あとは時間を忘れる。マイブックとにらめっこ。没頭する。絵を描いたり、矢印を書いたり、関連して思いついたことを書いたり。
考えてみようというテーマについて、一区切りつくまで書き出してみる。構想の時間。今までのメモが関連して形になってくる。
まるで未来の見える水晶球の中のもやもやが、映像になってくるような感じだよ。

取材

「で、何か」
要するに何を表現するかを、取材する人はいつも考えている。

地味なかための時

地味な、ひとつひとつ確認しながら身につけてゆく時間が長いんだ。
反復訓練などで過ぎてゆく時間。かためてゆく時間。
「知っている」と「出来る」の差がこの時間の積み重ね。運動や演奏、芸術に多い。技能と言うもの。
体を動かすことばかりではない。考え方も同じ。さっと意見をまとめられる人、難しい出来事の解決策を見つけられる人も、訓練をつんだ人だ。

自分の物差しで進捗を計りながら、あきらめず急がず、固めてゆこう。

嵐の春だった

目をつぶって横になっていると、いろいろな場面が浮かんでくる。まるで壊れたビデオのように。いろいろな時期の出来事が、ばらばらに、鮮やかに再現される。
こんな時間がだんだん持てなくなっている。君たちはどうだい?
2007年はみんなにとって、春の嵐のようなときだったと思うけど。

運転は命を預かる

自動車を運転することは、その間、命を預かることだ。同乗者のも、相手の車の人のも。
夜など、なるべく運転しないでいいなら運転したくないな。

素直な試験前

ルカは試験前、なんだか素直。

仕事で失敗した人にどう手を差し伸べるか

10年ほど前、倒産したばかりの社長から電話があった。「しばらくアパートを使わせてもらえないか」
お父さんはいっぱいだと断ってしまった。
おじいちゃんにその話をしたら、「あいているようだったら貸してあげたら。」と言った。
お父さんは借金取りなど来て、面倒になると嫌だなと言う気持ちが先にたった。おじいちゃんは同じく事業をしている身として、手を差し伸べようと言う気持ちが先にたった。お金を貸してくれと言われたら断ったと思うけど。会社を運営するからには、自分も借金をして事業をしているから。
お父さんはちょっと恥ずかしかった。逃げようとしていた自分が。明日はわが身だぞ。

カーストより下があるなんて

世の中、教科書どおりじゃない。

交渉は見えるように

交渉の席では、黒板を使うといい。
借りていた土地を返してくれと言われたときの交渉、立ち会ったときのことだ。難航が予想された。お互い言いたいことを言って、合意しない場合が多いんだ。交渉って言うのは、お互いの立場で言いたいことを言うのが当たり前。相手のことを考えず、まず主張する。

お父さんはまず、お互いの意見で同じ土俵に立っているものがあるか、注意深く聞いた。そして黒板に絵で書いて、「ここは同じ前提で意見が似ていますね。」と双方に確認していった。もちろん、違う土俵のことも別に書いた。なるべく双方の意識が「この点は同じ土俵に立っていて、合意した」という事実に集中するように、絵を描いていったけどね。どの点にどのくらい差があるって言うことも、金額に換算して棒グラフにする。
交渉ごとって、お互い言っている事の前提や土俵がずれていて、進展が無い場合が多いと思う。客観的な議論って、交渉のときは難しい。だから、どちらにも前提や土俵がはっきりするように、視覚化したんだ。

一つ一つ確認してつめてゆき、何回目かの会合でもりあがったところで、交渉は合意できたよ。

あまり腕が落ちてないね

ルカはサッカーから少しはなれて友達との中学生活を満喫しているけど、壁打ちに行ったら、なかなかやるじゃんと思った。

出張先の楽しみ

台湾へよく行くお父さん。毎回1度は地元の小さな食堂に入ることにしている。お父さんが小さいころの大阪の、今里にあった食堂のようなところ。
漢字はわかるが、さっぱりどんなメニューなのか想像がつかない。えいやーで壁のメニューを指差す。言葉も通じないから、ただ指を挿す。食堂のおばちゃんもおっかなびっくりというか、こいつ、何でこんなところにいるんだと言うような感じだ。
お父さんも不安。食堂のおばちゃんも不安。
なんというのかな。これが修行であり、安住しない、いつも冒険を忘れないための小さな試みなんだ。つまり旅だ。

結果、おいしくて安くて珍しいものにありつく。出張先の小さな楽しみになる。もちろん、危険なところには行かないけどね。

なくなってゆく親の世代

しろのおばあちゃんに満州から引き上げてきたときのことを聞いたことがある。壮絶な体験。本や新聞の文字で見るのではなく、こうあるべきだと言うものでもなく、体験したことを自分の言葉で話してくれた。ひしひしとその状況が伝わる。おばあちゃんは軍人ではなかったから、見たことをそのまま話してくれた。
軍人や指揮をしていた人など当事者だった人は、恥ずかしさからか、人には話さずに自分の中にとどめて墓場まで持っていく人が多いと思う。たとえて言うと自分の失敗は話したくないのと同じで。

確実なことは、たいがい親の世代から死んでゆく。
ブログにもっとお父さんの失敗を書かなくちゃいけないかな。

チェックしつづけてる

10代のころは日記を書いた。湧き出る感情の整理をするのに、心のトイレットペーパーのように使った。
受験のころは参考書を片っ端からひとつひとつやっていって、線を引いていった。ほんの汚れがだんだん増えてゆくことが、ゴールへあと少し、もうちょっとがんばろうと言う気持ちをかりたてた。
20代のころはKJ法のシールに書いた。今で言ったらポストイット。気がついたこと、観察したことを忘れないように書いて、広げて組み合わせた。自分の知識やものの見方を整理した。
30代に入る前は手紙を書いた。お母さんへの手紙だ。届いて返事が来るまで長いので、自分のことばかり書いたかな。
30代のころは本の大切なところを折った。ほとんどがビジネスの本。実際に自分の会社に当てはめてルールなどを作るより、読みっぱなしが多かった。
40代のころはマイブックを書いた。やらなければいけないこと(Todo)、アイデア、構想した絵。ToDoは終わったらチェックで消していった。

暖めておいて、いつも気にかけておいて、忘れないように書き出して、かたをつける、つまりあるレベルまで完成させる。これが綿々と続いている。

学校でちゃんと聞いてるのを見過ごす親

君たち家で漫画ばかり見ている気がするけど、学校ではちゃんと授業を集中して聞いているんだよね。家でリラックスしているのだけを見て、文句を言ってはいけないね。
逆にお父さんは会社で集中しているよ。君たちは家でリラックスしているお父さんしか知らないだろうけど。
同じことだね。

ほたる見物

どんより曇った日の8時ころ一番良く光るそうだ。
昔、家族みんなで、越後湯沢の向こうの六日町まで蛍を見に行ったっけ。最近仕事で泊まったところがそこだった。何年かぶりに見に行った。
君たちの子供たちにも見せることができたらいいね。

スコープありき

ISO14000を勉強していて思ったのだけど、ものごとはじめにスコープありき。
スコープって言うのは「適用範囲」ということ。つまり、この範囲ではこういうルールが成り立つとか、この範囲ではこういうことが言えるとか、条件みたいなもの。
すべてに当てはまることって、なかなか無い。
「この適用範囲ではこう考える」

もっともらしく聞こえるけどなんかへんだなと思うことは、だいたいスコープがずれているようだ。特に日本は相手と同意することを前提に「うんうん」と聞くのだが、お互いのスコープをよく意識して会話する訓練が必要だ。
留学したら、特に意識したほうがいいことだと思う。

ものすごい英語の上達

乾いた土に水がしみこむように英語が上達するときがある。ボーっと聞いていると、よく聞こえて、どんどん入る感じのとき。ずーっと何気なく聞いていると、助走になるのかな。

お父さんの英語はかぶとむしのように完全変態した。30くらいまでは、一度話す前に文法を組み立てて話していた。わからない単語が出てくると、そこで引っかかっていた。
40くらいからかな、めんどうになって調べなくなった。わからない単語が出ても聞き流すようになった。はじめは気になっていたのが、だんだんとらわれなくなった。そのせいか、話すときも、この場面に聞き覚えのある言い回しが口をついてくるようになった。ちょっといいたいことが違っても、無理に文法で作文せずに、聞き覚えのある言い回しで話すわけだ。

でも、あまり聞き覚えのある言い回しが多くないなあ。聞き流す時間が少ないんだろうなあ。

ご褒美のメルボルン

ヨセフが高校へ上がれたご褒美にメルボルンへ。結構一人でやれたね。展望台も一人で上ったし、世界水泳も一人で行った。水族館も一人で見たんだよね。よかったよ。

思うは酒のことばかり

よる眠りが深くなると言う強迫観念で飲みたくなるときがあった。運動不足、夜風呂に入らない、ストレス・・・
飲んでも量はすすまない。でも、飲まずにいられないとなったら困るね。
君たちはまだ未成年だからどうなるかわからないけど、みんな酒に飲まれるなよ。

要求しつづけるという修行

ルカはわがままばかり言っていると思うことがある。その反面、すごいエネルギーだなと思う。
外国で仕事をしていると、あの手この手で説明して主張し続ける、要求してみないと始まらないという現実。正しいと信じたら、あきらめないで要求し続けると言うのも修行だなと思うことがある。
ルカはすごい・・かな。ただし、内弁慶ではちょっとね。