町内会の応援
昔商店街の床屋さんに、化学オリンピックを目指すとてもできのいい息子がいた。
やおやのおじさんや魚屋のオバちゃん、うなぎ屋のおかみさんは集まっては言った。
「たいしたもんだねえ。ここはひとつがんばってもらって、うちらも応援しようじゃないか」
息子さんはがんばったけど、初出場ということもあって10位だった。
「いや、それでもたいしたもんだよ。俺たちじゃ、逆立ちしたってむりだもん」
こう言って、その息子の努力をねぎらった。
今の時代だったらどうだろう。
もしかしたら「なんだ10位か。たいしたことないな」
「大騒ぎするほどのことでもない」
「国は何をやってるんだ。なぜもっと養成できないのか」
となるかもしれないね。
案外さめた意見を吐いていた人も、実際に息子さんに会ったとたん
「よくがんばりましたね。ずーっと応援していましたよ」なんて言ったかもね。
すべてフィクションでした。
そういえば協力隊でアフリカにいたとき、両面を見た気がした。
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