初めての国に夜着くのはヤバい
30年前、初めての外国はロサンゼルス空港だった。大韓航空の安い便で、夜9時半過ぎに到着。一人旅。だれも迎えに来るはずも無い。
その日の宿も決めていなかった。ガイドブックのホテルは高すぎた。山をやっている人が「ロスにあるニューヨークホテルというのが安いよ」と、いい加減な地図を描いてくれただけ。インターネットは当時無かったので、一枚の紙切れひとつ、ぶっつけ本番での宿探しだった。
次々と到着した人が流れてゆく。大抵は駐車場に止めてある自分の車へ。タクシーやホテルの迎えのバスに乗る人も。おとうさんだけが取り残されてゆく。
案内所は人がいなかった。遅い時間だったからか。飛行機の中で隣り合わせた人に教わったホテルへの直通電話。ここからホテルへ電話して、値段を聞くことにした。
壁一面にある電話とホテルの写真。どれがいいのか、さっぱりわからない。結局Daiichi Innだったか、日系のようなホテルに電話をかけざるをえなかった。
「ミニバスがぐるぐる回っていますから、それに乗ってください」
しかし、待っても待っても、まわって来るのは他のホテルのバスばかり。このまま物騒な空港で、ひとりでずっと立ち尽くしていなければいけないのか。そう思うと、目の前に3回くらい回ってきたRamada Innのミニバスに、たまらず乗ってしまった。
お客さんはお父さん一人。黒人のいかついドライバーが、夜の街をどこまでも走る。どこに連れて行かれるのだろう・・左側通行の、流れるヘッドライトが印象的だった。
初めての国に、宿の予約なしで夜着くことのヤバさ。金が無いじゃ済まされないと思った。
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