お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Monday, September 25, 2006

お父さんの受験勉強

昔のことだけど、役に立つといいな。お父さんの経験談。

高校2年の夏まで柔道部があって、2学期からぼちぼち引退ということになった。それまで週6日練習で、帰ってきたら疲れて寝るばかり。そんなわけで、柔道部の練習に出なくてよくなったときはうれしくて、友達の家に寄り道するのが日課となった。
この状態は3年生の夏休みまで続いた。そろそろ受験ということで、予備校の夏期講習を1科目とって見たのだが、まったく理解できない。その頃学校で行われた模擬試験の数学の結果も0点とか15点。さすがにあせった。
結局あせって人のペースで勉強するより、自分のペースで基本的なことから積み上げるしかない。それから、家では勉強できる雰囲気ではない。まわりが勉強している雰囲気の中で、なおかつ自分のペースでやるしかないと思った。

学校が終わって、近所の図書館へ通いだした。
苦手は数学だったが、得意の英語から始めて勢いをつけようと考えた。7-20行の英語の文が載っていて、それの翻訳を解説している参考書を最初のページから読み、自分で訳し、解説を読んで間違いを修正していった。実はめざすのは理科系の学校だったけれどね。
日曜には朝9時から、できるだけ7時の閉館近くまでいた。疲れて最初の頃は4時か5時で帰ったが。家は休むだけ。
幸いそこではいつもきている小学校の同級生などを見つけた。疲れて目を上げると、その女学生は参考書に向かって真剣に勉強している。「よし、彼女ががんばっているんだから、もう少しだけがんばろう」彼女の存在は、ちょうどマラソンのペースメーカーのようなものだった。
こうして1日10ページずつとかの進み具合だったが、400ページ近くあった分厚い英語の参考書は、すこしずつ手垢で汚れていった。ただただ図書館にいることのできる時間いっぱい、集中することを課題とした。
そして12月も終わりに近い頃、やっとすべてのページが書き込みで真っ黒になった。うれしかった。
それから1ヶ月は物理、2週間くらいの間は数学をやった。不思議と「もう間に合わない」などのあせりの気持ちはなく、充実感が残った。
だめだと思った入試も、受けた試験問題を覚えていた大学が合格だった。

お父さんの弟も、お父さんの受験の1年前に高校受験をした。12月から集中して勉強し、希望の高校に合格したことがあった。そのときも簡単なものから始めて、集中する時間を長くしていく勉強だった。それを見ていたから自分もできると思ったのだ。合格できたのは弟のおかげでもある。

周りが勉強している環境に身を置く
ペースメーカーを見つけ、自分を励まし、できるだけ長く没頭する
まず、ひとつの参考書だけを選んで制覇する

君たちの参考になるかな。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home