お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Thursday, September 07, 2006

はるか遠くへ行ってしまった

続けることで、経験のなかったことも本物になってゆく。富士メガネという眼鏡屋さんのお話。

お父さんがはじめてその眼鏡屋さんにあったときは、タイの難民キャンプにメガネを贈りに行って2回目の秋だった。
その年からお父さんはアフリカへ住み込んでボランティア。同じレベルの生活はできないし、貢献するのも長い道のりだし。一生懸命にやっても実を結ぶとは限らない。現地で生活しながらのボランティアは、葛藤と心のバランスをとることが大変だと思った。
それから比べると、眼鏡屋さんの年に1回やってきてプレゼントしてゆくという活動は、たいしたことではないと思っていた。それに、長い間自助努力が大切だと教えてきた難民キャンプに日本の政治家が来て、お金と食べ物をばらまいていったと、UNHCRの友達が嘆いていたこともあったからね。
でもその眼鏡屋さんは、その後23年間も難民キャンプにメガネを贈る活動を続けたんだ。もちろんUNHCRにちゃんと相談しながら。誰の世話にもならないで会社も立派に経営し、その上ボランティア活動を続けた。

その間お父さんは何をしていた?自問自答したよ。
お父さんがアフリカへ行ったのは、きっと旅を極めたいという自分の興味のためだった。それから老後また、ボランティア活動を偏見なく再開するために、若いうちに経験しておこうと思っていた。そのためには仕事に成功しなくちゃと考えたんだ。技術だけではボランティアはうまくいかない。マネジメントも大切だというのが、若いときの経験で得たもの。
そして今思っている。「今からでも遅くない。」

地道に続けることで、はるか遠くへいくことができるんだ。

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