お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Tuesday, September 28, 2010

いい教材に自然に触れる大切さ

小学校のころ、夕方6時半から東京12チャンネルで科学の実験番組をやっていた。白黒の映像。内容もキャラクターが出てきたり、お兄さんが出てきて噛み砕いて説明したりしてなかった。どちらかというとディスカバリーチャンネルのような感じ。でも面白かった。いまでも模型の火山から、もくもく白い煙が出ているシーンを覚えている。
マンガもたくさん見たけれど、同じくらい面白かった。

中学2年生のとき、本で読んだ超伝導のことを物理の先生に質問してみた。学園祭でリニアモーターカーの実演もしていたから。だけどその50を過ぎたベテランの先生は、超伝導のことは何も知らなかった。期待していたような答えは返ってこなかったし、その後調べて教えてくれるということもなかった。

小学校5年生のとき、学校で物が倒れる安息角のことを、四角い積み木で実験した。お父さんは本気で、自分が世の中で最初に法則を発見したような気分になった。一人で興奮した。でも教科書に書いてあった。ちょっとがっかりした。

きっとお父さんは実験や観察の面白さを、あの白黒のテレビ番組をじーっと見つめているうちに心の中に刻み込んだんだ。
子供たちに大切なのは、キャラクターでもお兄さんの芝居じみた解説でもなく、小さな驚きの映像なのかもしれない。そういう体験を君たちにもさせてあげたかったんだ。

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