お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Saturday, May 24, 2008

テニスもダンスも

「良い習慣は第2の天性」と同じことがスポーツでも言える。無理のないスムーズな動きを身につけたら、反応が早くなりうまくなる。
速さを求めようとしたら逆に、ゆったりとした、力を抜いた動きを意識して練習、身につけなければいけないと思う。

お父さんは今「テニスのフォームがきれいだ」とよく言われるんだけど、大学時代は力任せの融通の効かないフォームだった。決してきれいなものではなかった。そしてがつがつ速い球を打ち込んでいた。まわりが皆そうだったから。
それもそのはず、まわりの人は中学や高校からやってるからうまい。だから球が速い。お父さんは大学で始めて球技をやった。球カンがない。だけどどんどん速い球が帰ってくる。それに負けないようにと、あわててラケットをぴゅっと振り回す。だからミスも多かった。本当は相手の力を利用して、タイミングを合わせてやるだけでよかったのに。

コーチのアルバイトを始めたとき、生徒さんがお父さんのボールを打ち返せない。お父さんも相手の打ちやすい、ゆっくりとしたボールが打てなかった。これにはまいった。だけど、これがパラダイムの変換だった。
コーチの仕方の講習を受け、大きくフォームを変えた。何度もいろんなフォームに変わった。
最終的には壁打ちでフォームを直した。まわりの人がびしばし壁に打ち込んでいるのを横目に、ふわーんふわーんとした球を壁に打つ。一見ど素人。最初は恥ずかしかった。でもこれができるようになった時、今の無理のない流れるようなフォームになった。

フォームを変えるのはくるしいこと。いつもこれでいいのかと思ってしまう。人が相手での練習だと固定しない。壁打ちで自然が相手だったから、自分のフォームに納得していった。
お父さんは結局、がつがつ自分のやり方で振り回していた時は、望んでいたもの(うまくなりたい)を得られなかったんだなあ。同じ努力はしていたんだけど。
教える立場になって、素人の生徒さんがお父さんのボールを打ち返せなくて、始めて自分の未熟さを教わった。
そして壁という、自分が打ったとおりに結果が返ってくる自然を相手にした時、初めて思い込みから脱却できた。力が抜けたんだ。

自然を相手に研究すること。クララもヨセフも今はその意味がわかるんじゃないかな。
君は子ども相手にうまく教えられるか?

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