お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Wednesday, December 19, 2007

アイム リミテッド

ヨセフを見ていると、「見せたいイメージ」の自分をこわしたくないので、よけいに人に会えなくなっているようだ。「気まずい」という言葉が物語ってる。
心の中にある自分を動かすものは2つ。「エンジンとブレーキ」。
どんどんやってゆこうという明るい積極的な拡張プロセス(エンジン)と、本能的に危険をさけようとする慎重さからブレーキとなる平衡プロセス(ブレーキ)のうち、彼は自分の本音である「ブレーキ」になるプロセスを、意識の下に追いやっているようだ。自分でも認識していない。慎重な面、面倒くさいと思う面は無意識的に見せたくない。

自分の本音を認識して2つあることを認めた上で、力を抜いて必要なこと、やらなければいけないことを行動してゆければいいのだけど。
たとえば、トントン野菜を切っている包丁の近くに指を持っていっても、相手が信用できれば、10cmくらい近くにあっても大丈夫なのと同じ。5mはなれる慎重さはいらない。
もっとさらけ出したり近づいてもいいんだけれど、距離感がわからないんだろう。恋愛も距離感をつかむプロセスといえば、イメージ沸くかなあ。

武士も相手の剣が自分に触らなければ怪我をしない。セーフだ。怖いけど、怖さを克服して、ぎりぎりでかすめるくらいの距離でかわせると、自分の攻撃のチャンスも多くなる。アウトとセーフのぎりぎりの距離感。距離感を「間合い」といい、ぎりぎりの点を判断することを「見切る」という。
「見切りをつける」という言葉も、ここから来ているのかな。

ミュージカル「ウィキッド」でエルファバが「アイム リミティッド」と歌いだすシーン、自分の弱い部分も認めてさらけ出したうえで、新たな決意を静かに強いものにしてゆくシーン。感動的だった。
だれもが思っていること、「自分の限界をさらけだしたくない」
でもそこが新たなステージの始まりだとは、後になって気がつくものなんだね。

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