お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Friday, June 25, 2010

お父さんの悩み

どうしたらヨセフやルカにも大切なことを伝授できるか。
翻訳者のクララの力が必要。
お父さんのブログからクララがピックアップして、ヨセフやルカにもメールしてくれたらうれしいというのは、お父さんとヨセフたちとに「視野にある社会」や「向き合ってる世界」に、レベルの差があるから。

予約を自分で取ること

お母さんに頼りっぱなしのレベルでは、たとえば自分で飛行機の予約を取れない。
仕組みに不慣れな理解するのがわずらわしいことは、「おまかせする」と言った割りには、任せた人に対してあとで不満も多く、変更になりがち。時間や手間がかかる割には、感謝もされない類のこと。

昔「なんでもいいから、お土産にXXブランドのトレーナーを買ってきて」と頼まれて、お父さんもよくわからないけど空港にあったから買ったら「なんでこんな高いものを買ってくるんだ」って、さんざん愚痴を言われたことがある。お金ももらってなかったし、XXブランドのトレーナーしか言われてなかったから、高いものか安いものかも知らなかったけど、探す時間はかかったしお金も立て替えたのに。安請け合いはいけない。腹が立つばかりだ。

おまかせされたほうだって、全部理解してるわけではない。
もし「絶対安全で有利にもうかる株を教えてください。」って聞かれて答える人があれば、それはペテン師だ。
「そんなものを知っていたら、とっくに自分でやってます」

お任せされた場合に言うこと。
「窓口の電話はここですから、自分で聞いて決めてください。」
「お金と時間のかかることですから。」
「手間がかからないでしょというなら、なおさら自分でやってください。」

ケチって言われても、はじめから断るほうがいいことが世の中にはある。お金の貸し借りが代表的なこと。
厳しいといわれても、約束どおり、期日にきっちり取り立てることも同じ。いいよいいよというよりも、かえって長続きする関係になる。

誰に悩みを相談するか、誰の悩みをきいてあげるか

誰に悩みを相談したらいいか。
この分野はお父さんに相談できるけど、あのことはお母さん。自分で切り分けているのが普通。
逆に相談を受ける側にも言えることがある。
「この相談は持ってきてもらってもいいけど、あのことは何度同じことをぼやかれたって困る。前に進まない。考えても仕方の無いことだからどうしようもない。」
相談を受ける側も、へきえきする内容だってあるわけだ。なぜへきえきするか。相談する側は「この人ならすべて何とかしてくれる」と思い込んでいて、範囲外の相手の時間や大切なものも侵食してしまうからだ。
「わたしはあなたのお母さんじゃない」って言うせりふがあるけれど、クレーマーやなんでも政府が悪い、学校が悪いという人たちも同じ。世の中たくさんいる。逆差別ということもある。

概して相談する側は、「解決に向けて道筋を組み立てられる悩み」と「自分がこうしなければいけないのはわかっているんだけれど、できないからぼやく悩み」とがあるようだ。
「バランスが取れて、コントロール可能な悩み」と「自分の理想と実行のバランスが崩れて、他の人にやってもらうのを期待する悩み」とでも言おうか。
「大人の悩み」と「子どもの悩み」かな。
「自分も気がついて聞く耳を持つ悩み」と「やってもらえなければパニックになる悩み」ともいえる。
「パートナーになれる悩み」と「何でも言うことを聞いてくれるお母さん以外はいやになる悩み」みたいな。
「お互い充実感の得られる悩み」と「考えても仕方が無い悩み」
「展望をお互いに作り出してゆける悩み」と「きりがなく寄りかかられて辟易する悩み」

自分にある程度の技術レベルがないと、カンパニーにいれてもらえなかったり、重要な話はしてもらえないのと同じ。いちいち説明がめんどくさいから。
その分野の技術や知識レベルが低くても、他の分野の深い経験や技術をベースに、物事を切り分けられる人なら、お互いに知らない発見をする可能性があるから、喜こんで仲間に受け入れられる。
これが高校や大学時代に身に着けなければいけない大切なことだろう。
中学校レベルくらいだと、これが出来ない場合があり、いじめも無視も、こんなところから生まれやすいんだろう。

結局はパートナーになれる段階まで、自分が大人にならなければいけないんだけど。
相手にふさわしい自分かどうか、そのために自分は何をしているのか。
そして、同じレベルの仲間を持ったときの幸せってある。
違うレベルの人と共同作業をしなければいけないときのわずらわしさもある。
そういう時は、仲間に中間のレベルの人がほしい。

お父さんがいて、よくわかってくれるクララがいて、ヨセフに経験を翻訳することでクララも受け継いだ経験を自分のものに消化し、ヨセフは1段階レベルを上げることが出来る。みんなハッピーだ。

Tuesday, June 08, 2010

アパートを自分で借りることできるかな

お父さんも含めて、経験を積んできた人やいままで気軽に聞くことができた人、問題を解決してくれた人はじきにいなくなる。きっと想像以上に早いよ。

新しい技術に取り組むなんてレベルでなくても、社会人の多くははたいてい知っていても、君たちにとっては今までやったことのないことがたくさんある。たとえば銀行の口座の作り方から始まって、アパートの借り方、引っ越したときの住民票の転居、連帯保証人を頼まれたときどうするか、キャッチセールスにつかまったときにどうするか、保険はどう選ぶか、商売で売り上げが伸びているほど資金がなくなって倒産しやすいということなどなど。手取り足取り、必要なときに必要なことだけ教えてくれるなんて、都合のいいことは世の中ほとんどない。

コンサルタントさんに相談すれば言いというかもしれないけど、何を聞くかによって結果は正反対だ。何を聞くか、前提条件は何かを自分で考えることができなかったら、かえって失望するよ。
結局いろいろな情報を自分で判断して行動しなければいけないんだ。だから、いなくなる前に自分のこととして受け止めることを心がけなきゃ。

試行錯誤することを面倒がっていたらどうなるか。誰かの言うとおりやっていればいいと考えていたら、騙されても、無駄なことをやってしまっても、いやなことをやらされ続ける身になってもあとの祭り。そんなことがこの先いっぱい待ち構えている。
時代が大きく変わっているので、今までの経験が役に立たない道なき道が待っている。

どうすればいいか。
すべてのことを「自分に降りかかっていること」として受け止めるしかない。はじめから「道なき道を行くのが当たり前」と腹をくくるしかない。自分を奮い立たせて、自分から飛び込んでゆくしかない。それがラクで楽しくなる道。
自分でやってみる、失敗しても身一つで生きていけるうちにどんどんやってみる。
何も失うものがないことが一番強いよ。

以上がお父さんからの1000回目のお話。