お父さんからの伝言

夕食の食卓を囲んで、おとうさんが家族にするような話を書き残してゆくブログ。 家族の歴史。

Sunday, February 07, 2010

土俵とカンバン

お父さんの少人数の会社でも、お客さんから「もう頼んであったものは出来た?」って電話をもらう。電話を受けたおばちゃんはわからなくて、すぐ答えられないことが多かった。だから「カンバン方式」を取り入れた。

「カンバン方式」とはトヨタの工場で始まって世界中がとりいれている生産管理方式。たとえて言うと「逆バケツリレー」とでも言おうか。必要なときに前の人に言ってバケツをもらうような方式。
普通は前から来たものを後に渡すんだけど、後からほしいものが前に伝わる。
こうすることで、もういらなくなってもまだどんどんバケツが来るというような、作りすぎがなくなるんだ。
それとチームのみんなが今何をしなければいけないかわかる。
カンバンとは、「バケツひとつください」みたいなことを書いて前の人に貼る、いわば伝言用紙だ。

会社では、受けた注文をチームのみんながわかるようにカンバンに書いて掲示板に貼る。そうすることで「この注文はまだ材料が足りない。買ってこなきゃ」とか「あの注文はもう宅配便で送っている途中。」とか、どの段階までプロセスが進んでいるかがみんなわかる。
ちょうどすもうが土俵の上で行われていて、勝負の行方を見ている感じ。
カンバンには試合の行方がリアルタイムに書きこまれてゆく。「そろえるもの、これとこれ」「材料、そろった」「出荷検査、OK」みたいに。貼ってある掲示板は土俵。いろんな土俵がある。それを勝ち進んできたものは次の土俵に行く。トーナメントのようなものだ。

会社は国技館にたとえている。すもうの「番付表」や勝敗(結果)を見る「星取表」、「過去の記録」、「土俵」、「館内案内図」、「すもう四十八手解説本」などが国技館にある。
同じように会社でもそろえたものが以下のとおり。

「問合せ電話がかかってきたお客さんの一覧表」 →番付表
「製品を買ってくれたお客さんマップ」「問合せだけでまだ検討中のお客さんマップ」 →星取表
「お客さんごとのやり取りの記録ブログ」 →過去の記録
「カンバンを貼るコルク掲示板」 →土俵
「部品を入れてある棚マップ」「必要書類や顧客リストなどのデータファイルの保存ディスクマップ」 →館内案内図
「カンバン(作業の流れ順にチェックリストが書かれている)」 →すもう四十八手解説本

土俵は「クレーム処理中土俵」とか「新製品開発中土俵」とか「DM企画中土俵」など名前がつけられている。トーナメントの最後のほうは「出荷処理中土俵」だ。

会社と国技館が同じだなんておもしろい。

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