ブロッケン現象
お父さんが22歳の時、世界一周のチケットを買って旅に出た。成田空港から最初に向かったのはグアム。言葉もよくしゃべれないし、ずっと一人で知らない国を放浪するこれからの日々を思いながら、不安な気持ちで飛行機の窓の外を見ていた。
グアムの空港に着く直前、下はもくもくと湧き上がる雲に覆われていたのだが、あれっと思った。飛行機の影が写っている。そしてその周りに後光がさすように、まわるい虹がかかっている。飛行機の影を虹が囲っているのだ。
登山している人が時々稜線に立った時、雲に自分の影が写り、虹がかかっている姿をブロッケン現象とかブロッケンの妖怪とか言っていた。
今日10年ぶりにバンコックへ到着する直前、飛行機の窓からブロッケン現象を見たよ。22歳のあの日以来初めて。お父さんの乗った飛行機の影をまわるい虹が囲んでいた。
新しい出会いの時がまた始まるという知らせなのかな。何もかもが強烈だった南米の旅を思い返している。
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