火中の栗
不登校の親の飲み会に、わざわざ出てきてくれる先生がいる。下手したら何を言われるかわからない。そう思うのが普通だろう。でも実際はありがたがられる。「うちの子に関心を持ってくれてありがとう」感謝を持って迎えられる。
「火中の栗を拾いに行く」つもりが、感謝されるのだ。
勇気を出して飛び込んでみると、視点が変わることがある。
ルカがPSPばかりやっていて、ちっとも勉強しない。ずーっとやっている。ゲームで無駄に時間が過ぎているように見える。文句を言う。返事もしない。
ある日大前さんの親子対談記事を読んでいて、子どもがゲームをやることについての抵抗が薄れた。そこで先入観を消去、パラダイムの変換。
ゲームをやっているルカに聞いた。
「今やってるのはモーハンか?」
「・・・」
「最近ニコニコ動画にゲームの映像がたくさんアップされているけど、どのゲームのが多い?」
「・・・」
「お父さん、ゲーム会社の株を買おうと思っているんだけど、どこが人気が出てきているかを知るのに、ニコニコ動画にアップされているゲームの数が多い会社を知りたいんだ。」
「・・・」
「モーハンはコナミ?」
「カプコン」
「カプコンか。えーと株価は・・」
インターネットで株価のグラフを出すと、最初のバージョンが何年何月に発売されて、人気のあるのは2で・・などとルカが話しかけてきた。一緒に株価のグラフを見て、その時期と値段の上がり具合を実感。
「株って言うのはこれから上がるというのを買えたらもうかるんだ。どんな分野でも、プロって言うのは、どんなことも変化する時(変局点:局面が変わる時)を見つけることに集中するんだ。」
これで株を買ったら、どうしてあがったり下がったりするのか、どうしたら変局点を見つけられるのかなどを、親子一緒に考えることが出来る。すべてのプロになるエッセンスが凝縮している。「動機」、「発展的に調べる意欲」、「変局点を意識するという大切なことを学ぶ」、「継続的なモニタリング」、「関心のある範囲が広がる」、「経済の構造を知る」、「リスクについて考え抜く」などなど。
子どもの意欲を引き出そうとする時間や、塾に払うお金を考えたら、この投資はもっと有効なお金の使い方といえそうだ。
お父さんにとっては身近な火中の栗。
「ゲームは時間の無駄」「株はギャンブルでのめりこんだらやけどをするもの」などの先入観のほうが、よっぽど家族をだめにして、意欲の芽をつむものかもしれない。
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