食い詰めた農家の次男三男が、新天地を求めてハワイや南米に移民していったのは、おじいちゃんやひいおじいちゃんの頃のこと。
自由の国、映画のような生活にあこがれて、何でも見てやろうと海外を目指したのは、お父さんのちょっと上の世代。
冒険心を満たしてくれる場所を求めて海外を放浪したのも、お父さんたちくらいの世代。
女性がキャビンアテンダントをしたり、留学したり、外国の男性と結婚して海外に住んだり、ただヨーロッパに渡って仕事を見つけたりし始めたのは、バブルのあたりから始まったと思う。
やがて海外での冒険は、テレビの中で芸人が体験するものとなっていった。なんだか作り話のような感じになり、憧れの対象ではなくなったようだ。
憧れのエネルギーがないと、住んで仕事をしてみてはじめてわかる味わいも、そのステージに到着することができない。
食い詰めるのではなく、何かに憧れて我が家のみんなが新移民時代を迎えることが出来たら・・というのが、お父さんの夢なんだ。