ヨセフと車で話したこと-旅が変えた青春
大学を出たらひたすら働くしかない。休みもまとめて取れないだろう。いろんな人と出会えたり、いろんな経験ができるのは今しかない。大学時代、お父さんはいろんなアルバイトをしたり、一人でいろんなところを旅した。日本中まわった。そしてなるべく遠くへ行っておこうと思って南米まで出かけて行った。
アルゼンチンのブエノスアイレスから北へ行く列車に乗った。ボリビアに入ると、列車が止まるたびに子ども達が「とうもろこしを買ってくれ」と、窓の外で大きな声を張り上げていた。日本人から見るととても貧しい服装だ。髪は土ぼこりでごわごわ。服はほころびがたくさん。靴もはいていない子が多い。顔つきから見ると、インディオの子達だ。おじいちゃんの子どもの頃や戦争中は、日本もこんな光景だったんだろうと思った。世界を見渡すと、こんな生活をしていることものほうが多いはず。お父さんは通り過ぎて行くだけの旅人ではなく、一度こんな世界に住んで、一緒に生活をして、彼らを理解したいと思った。
大学では落第生だったけど、就職してからはメモ魔になった。早く仕事を覚えて途上国で仕事をしたかった。歳をとると、まわりがうるさくなる。どんどんチャンスは減ってゆく。
あまりゆっくりはしていられないと思うと、仕事場には1時間前に行き、家に帰ってからもテレビを見る暇があったら勉強した。ものすごい生活態度の変わりようだった。だって、途上国に行って働くためには一人前以上の技術が必要。お金をもってても、そこで思ったように生活できるか。お金は必要が無いか、持っているとかえって泥棒などのカモになるだけ。一番自分を守ってくれる物は「人間力」と「貢献できる技術」。「なーんだ、日本人ってたいしたことないな」と思われたら自分の居場所がなくなる。つまり、身の危険や精神的ストレスが襲い掛かってくるはずだ。
「早く一人前で途上国に仕事に行かないと、気力も体力もなくなってしまう。」「間延びしてしまう。」いかに飲みにいこうという先輩の誘いを断るか、寮生活で邪魔されずにたりない勉強をするか。先輩とのつきあいが一番やっかいだったなあ。
だけど不思議なんだけど、テニスなどで遊ぶ時間も多かった。これも途上国で自分の居場所を作るのに役立つと思っていたから。会社の先輩ではなく、自分でテニスの会を見つけて飛び込んで行った。いろんな友達もできたよ。時間の使い方が充実してたんだろう。
遠いところを見つめよう。遠い未来の自分を見つめよう。今やりたいことや準備しておかなきゃと思うことが出てくるよ。そしてすごく自分が変われるんだ。充実した時間が自分のまわりをつつむようになる。
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